【旅行業4社トップ座談会】JTB × KNT-CTホールディングス × 日本旅行 × 東武トップツアーズ

  • 2020年1月2日

令和時代のツーリズム 課題と指針を語る

国内旅行増売へ、各社の取り組みは

オリ・パラ開催で需要創出期待もIT化、ウェブ化への対応急務

左からKNT-CTホールディングス米田社長、、JTB髙橋社長、日本旅行堀坂社長、東武トップツアーズ坂巻社長

 

 2020年の幕開け。今年は旅行業界にとってどんな1年になるのだろうか。東京オリンピック(五輪)・パラリンピックなど、需要の創出が期待される明るい話題がある一方、IT化、ウェブ化の波が一層押し寄せ、既存のリアルエージェントも経営の大きな変革を迫られている。本紙新年号恒例の大手旅行業4社トップ座談会。今年は「令和新時代のツーリズム~課題と針路」をテーマに4氏に語っていただいた。【東京のパレスホテルで】

◎出席者

JTB社長 髙橋広行氏

KNT-CTホールディングス社長 米田昭正氏

日本旅行社長 堀坂明弘氏

東武トップツアーズ社長 坂巻伸昭氏

司会=本社取締役編集長・森田淳

 

19年の旅行業を回顧

MICEが経済効果 髙橋

10連休で動き活発に 米田

 

 ――(司会)改元、ラグビーワールドカップ(W杯)、多発する自然災害と、2019年もさまざまな出来事があった。まず、旅行業界全体と各社の振り返りを。

 

髙橋氏

 髙橋 19年は「グローバルMICEの年」であった。大型の国際会議が続き、世界各国から多くの来賓を迎えての国家行事、そしてラグビーW杯は大いに盛り上がり、国あるいは業界にとっても経済効果がかなりあった。

 今回、要人をはじめ、多くの方々が長期間、日本に滞在して、地方を回られた。日本をよく知ってもらうための、絶好の機会となった。直接的な経済効果はもとより、今後の訪日をさらに勢いづかせる効果もあったと思う。

 エポックメイキングなもう一つの出来事は改元だ。ゴールデンウイーク(GW)の10連休が需要を取り込む上で大きかった。弊社もさまざまな令和がらみのツアーを出し、注目を集めた。

 消費税の増税は、私どもとしては、まだプラスともマイナスとも言えない。増税前の駆け込み需要はあまりなかったし、増税後の需要の冷え込みも感じられない。1月からの国際観光旅客税の徴収も、ほとんど影響がなかった。

 ネガティブな要素としては、自然災害。10月の台風19号は、特に団体旅行でかなり影響が出た。国が「ふっこう割」を導入したが、われわれは業界挙げて支援を行う必要がある。

 日韓関係の悪化と香港デモは、アウトバウンド、インバウンド共に相当な打撃となっている。早い解決を願っている。

 

米田氏

 米田 エポックメイキングな出来事が三つあった。一つは社内の構造改革推進。近畿日本ツーリスト(KNT)とクラブツーリズム(CT)の顧客管理の統合や、後に話が出るだろうが、協定旅館ホテル連盟などの組織の一体化など、さまざまなことを進めている。

 二つ目は6月のG20大阪サミット。われわれ近鉄グループが関西拠点ということで、いろいろとお手伝いをさせていただいた。首脳陣の移動もお手伝いし、無事に終わって何よりと考えている。

 もう一つは、五輪の1年前ということで、7月22日にプレス発表を行うとともに、観戦ツアーの公募を始めた。ラグビーのW杯が終わり、スポーツ熱が一段落しているが、五輪のカウントダウンでこれから再度盛り上がるだろう。

 令和の新時代も始まった。改元に伴うGWの10連休でお客さまの動きが国内外とも活発化した。上皇陛下、天皇陛下が伊勢神宮を参拝され、お伊勢参りが活発化したこともあった。

 消費税の増税は、髙橋社長がお話しされた通り、わが社も今のところ大きな影響は出ていない。

 

堀坂氏

 堀坂 GWの10連休は、かなりの需要を取り込むことができた。今までは、国内は好調だが海外が今一つとか、またはその逆であったりしたのだが、19年は国内、海外ともに、旺盛な需要をリアルに実感できた。10連休を見据えてわれわれもかなり早くから仕掛けをしてきたし、社員が頑張った成果だと思う。

 改元については、われわれのような熟年層だけでなく、若い人も前向きに捉えており、旅行も含めて日本全体が盛り上がった。

 ラグビーW杯では当社も海外のエージェントからのツアーの受け入れや、観客輸送などのお手伝いをさせていただいた。ワールドマスターズゲームズ、大阪・関西万博と、関西では大きなイベントが今後開催される。われわれにとって良い経験となった。

 19年はツーリズムEXPOジャパンが東京以外の大阪・関西で初めて開かれた。鉄道会社をはじめ、地元の財界がかなり力を入れて取り組み、今後に向けて関西のツーリズムを盛り上げていこうとの機運が高まった。西日本は前年の台風と豪雨で被災し、非常に苦しい思いをしたが、前向きな明るい光が差し込んできた。

 消費税増税は、JR券で若干の駆け込み需要があったが、当社にとっても大きなプラスやマイナスの実感はない。国際観光旅客税の徴収開始も、マイナスの状況は今のところない。

 19年も災害が多く発生した。被災地だけでなく、観光地に行くアクセスも被害を受けた。私も鉄道会社出身だけに、心を痛めている。

 

坂巻氏

 坂巻 19年を考えると、改元、10連休、国際観光旅客税、消費税、自然災害と、いくつかのキーワードが出てくる。

 さらに、SDGsという言葉が標準化した年といえるのではないか。

 国連サミットで示された2030年までの17の国際目標に旅行業としてどう取り組むかを、われわれは考えてきた。

 教育旅行の分野で、SDGsと連動したプログラムを開発した。私立高校と共同開発した「グローバルスタディツアー&キャリアプログラム」で、学年ごとに多くのプログラムを設定している。既にさまざまな学校からお声掛けをいただいている。当社は旅行会社で唯一、GCNJ(グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン)という組織に加盟しており、そのSDGs分科会のメンバーとしても活動している。今後もSDGsの観点から事業を行うというのが当社のスタンスだ。

 自然災害については、もはや「ある」という前提で取り組まなければならない。そのような中で私どもは、首都圏外郭放水路を見学するインフラツーリズムに取り組んでいる。先般の豪雨の際は、この放水路が減災に効果的だった。われわれがツアー化することで防災についてさらに意識を深めたり、インフラについてもっと身近に感じたりしてもらいたいと考えている。

 

 髙橋 忘れてはならないのが10月の首里城火災。現地の人だけでなく、われわれにとってもなくてはならないデスティネーションであり、復旧・復興支援を業界挙げてやらねばならない。

 

 坂巻 パリのノートルダム寺院の火災のときもツアーを作り、旅行代金の一部をツーリズムEXPOジャパンの席でパリの関係者にお渡しした。今回の首里城についても、業界として取り組まなければならない。

 

 堀坂 首里城は現地の方々にとっても、われわれ旅行会社から見ても、沖縄のシンボル的存在だ。各社それぞれ取り組むにしても、業界挙げての支援は絶対必要だ。当社も旅行代金の一部を寄付金とする応援ツアーの販売を開始した。

 

 坂巻 子どもたちが涙を流している姿をニュースで見た。応援しなければならないと強く感じた。

 

20年の旅行市場を展望

IT化へ本格対応 米田

五輪レガシー大切に 坂巻

消費拡大へ地方分散 髙橋

「イン」をビジネスに

 

――新しい年、2020年を迎えた。旅行業界にとってどんな1年になるか。展望と、それぞれの取り組みを伺いたい。

 

 米田 大きな話題はやはり五輪だ。当社は全ての競技を見るとか、全ての競技場を回るなど、特色あるツアーを造成して機運を盛り上げている。

 さらにパラリンピックも盛り上げようと、いろいろと商品作りをしているところだ。五輪同様の盛り上がりにしたい。

 当社にとっては相当なチャレンジの年になると認識している。「Webプラス」という合言葉のもと、新しいITシステムを開発してきたが、いよいよ今年、それが動き出す。併せて、従来のKNTとCT、それぞれの顧客データを一体化し、データをもとにしたプロモーションを展開する。少し遅れていたIT化への対応が、いよいよ本格化する年と捉えている。

 さらに言うべきは五輪後。関西では万博開催の準備が進んでいるし、IRの話もある。われわれも今から準備をしておかねばならない。

 

 坂巻 やはり一番は五輪だ。ただ、それが最終目標、到達点ではない。そこからどう、将来につなげていくか。レガシーを大切にしつつ、五輪後を考えていかねばならない。

 五輪期間中、東京の武蔵野大学有明キャンパスに「ホストタウン・ハウス」を開設する。海外の姉妹都市との交流をさらに活発化させようと、国内と海外の姉妹都市の関係者に来て、交流をしていただく。旅の目的は見る、食べる、体験するなどさまざまだが、これからは交流というコンテンツが重要視される。このホストタウン事業をしっかり行いたい。

 また、20年はドバイ(アラブ首長国連邦)で万博が開かれる。これは25年の大阪万博の直前の万博になる。私どもはこのドバイ万博の日本館に協賛する。次の大阪万博につなげるためにも、この日本館を成功させたい。

 「働き方改革」にわれわれ旅行業も貢献できることがあるのではないか。例えば、旅先で仕事をする「ワーケーション」や、出張に合わせて観光をする「ブレジャー」。こういうフレキシブルな働き方を支援できないかと考えている。

 先日、JATA(日本旅行業協会)でエストニアに行ったのだが、「デジタルノマド」が進んでいるのを見た。ノマドとは遊牧民のこと。IT機器を駆使して、オフィスだけでなく、さまざまな場所で仕事をする人たちがいる。

 ITを活用した仕事と旅の融合。国内だけでなく、世界の人たちがさまざまな場所で働いたり、旅をしたりする。このような取り組みの支援をできないかと考えている。

 

 髙橋 訪日でこれから必要なのはコンテンツだ。モノからコトといわれているが、コトの体験コンテンツをいかに作るかだ。

 さまざまな切り口があるが、有望なマーケットは、一つはウインタースポーツ。既に豪州の方が多く来られているが、22年の北京五輪に向けて、中国政府は国内のウインタースポーツ人口を3億人に増やすと公言している。上質な雪と設備がある日本のスキー場に、間違いなく多くの人がやって来る。日本にとっては冬のオフ期対策になるし、スキーは連泊もあり高額消費につながるから、インバウンドの消費全体を高めるためにも有効だ。

 もう一つは欧米豪へのプロモーション。ラグビーW杯で多くの方が来られたが、日本の情報をかなり仕入れて、恐らく周囲にもかなり拡散されている。このチャンスをどう生かすかだ。

新時代の旅行業とは

リアルの価値を追求 堀坂

需要のパイを広げよ 坂巻

宿の魅力アップへ提案 米田

「ならではの価値」創出 髙橋

 

 ――英国で世界最古の旅行会社といわれるトーマスクックが破綻した。旅行業を取り巻く環境が著しく変化している。

 

 堀坂 米田さんがお話しされたIT化への対応。われわれも若干、遅れていた部分がある。その反省も踏まえてしっかりと手を打つ。

 ただ、OTAと同じ土俵で勝負をすることはない。商品造成や販売など、リアルならではの良さをしっかり残した上で、一定の効率化を図り、お客さまにとって最も良い形を追求する。

 商品面では航空会社の運賃体系が変わり、われわれは今までのようなパンフレットが作りにくくなる。だが、スケルトンタイプに特化するのではなく、付加価値をしっかり付けた商品をこれまで通り造成する。販売面では店頭にコンシェルジュのようなスタッフを置き、丁寧な応対でリアルエージェントならではの価値を追求する。

 OTAやメタサーチについては、われわれはさまざまな業種と連携を進めており、その一環で手を組むことも考えられる。

 坂巻 OTAやメタサーチの台頭。あるいは消費者への直販化。それ自体、否定すべきことではなく、われわれは現実として、どう対処するかをしっかり考えなければならない。

 結論から言うと、旅行需要のパイを広げること。現状の小さなパイを取り合うのではなく、それぞれの立ち位置を明確にした上で、パイを広げることがこれからの旅行業界にとって重要だ。

 その中でわれわれリアルエージェントに必要なのは、もう言い尽くされている感があるが、原点に戻ることだ。企画力や添乗力をしっかりと磨き、付加価値を高める。低価格のところで競り合っても、業界のためには決してならない。

 企画力を高めるために、さまざまな企業とコラボレーションするのは大いに「あり」だ。異業種でも、同業他社でもいい。今までにない価値を生み出すことができる。

 旅行需要のパイを広げるために、日本人の旅行に対する考え方を変える必要がある。昨年のGW10連休の際、旅行をした人の平均の旅行日数はわずか2日だ。会社を休むのに抵抗があるとか、日本人には強迫観念みたいなものがある。

 髙橋 OTAは確かに、われわれにとって強力なコンペティター(競争相手)だ。トーマスクックの破綻は、さまざまな要因があったにせよ、デジタル化の波に飲み込まれたのが偽りない要因の一つだと思う。われわれも他山の石としなければならない。

 われわれにとってウェブは販売チャネルの一つとの位置付け。店頭もあれば、渉外もあり、メディアもあり、ウェブもあるということ。われわれもOTAと同じ土俵で勝負するつもりは毛頭ない。

 ただ、マーケットのニーズに応じて、絶えず強化をしなければならない。デジタル技術が日進月歩で進化している。お客さまにとって価値のないサイト、利用されないサイトであれば、開設している意味がない。

 今までは自前でシステムを開発し、サイト力を高めてきた。しかし、それには限界があると、われわれはそこから大きく方針転換をした。コンペティターであるOTAの技術力を導入して、サイト力を高めることにした。具体的に言えば、アゴダとの協業だ。

 今、完成に近づいている。これによりサイト力は飛躍的に上がる。ウェブはお客さまとの最大の接点でもあり、お客さまの利便性向上に必ずつながるはずだ。

 20年は国内航空2社がIIT運賃(包括運賃)の変動制を導入する。旅行会社はそれに対するシステム投資、商品のダイナミックプライシング化が待ったなしだ。今までのような価格固定型の、パンフレットをベースにした商品が成り立たなくなる。プロモーションの在り方も変わってくる。われわれ旅行会社にとって大きなショック。「ダイナミックショック」と言ってもいい。

 

 米田 今から15年ほど前、米国で「プライスライン・ドットコム」などのオペーク・サイトが流行した。例えば「ロサンゼルスのダウンタウン」「明日の晩」「8千円」と入力すると、該当するホテルの有無が出てくる。予約が成立しないとホテル名は出てこないのだが、それでも流行した。

 対抗してマリオットやヒルトンやホリデイインが何をしたかといえば、自社ブランドの価値を高めてファンづくりやメンバーづくりをした。要は、中身で勝負ということだ。

 日本にもOTAが来て、メタサーチが来た。お客さまにとっては安いホテルが取れていいのかもしれないが、われわれ総合旅行業が行うべきサービスは少し違う。ここに来れば満足度の高い商品が得られるという安心感の提供だ。そこを追求するしかないと考えている。

 

協定旅ホ連との関係

新たな価値を旅ホ連と 坂巻

「両輪」の関係変わらず 堀坂

 

 ――各社には旅館・ホテルとの協定組織がある。今後の関係、あるべき姿をどう考えるか。

 

 米田 ご承知の通り、昨年4月に、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟、近畿日本ツーリスト全国ひまわり会、クラブツーリズムパートナーズ会の三つの団体が解散し、宿泊施設と運輸会社、観光施設が一体化した新組織、「KNT―CTパートナーズ会」が発足した。

 私はシティホテルでの業務が長く、その経験から言うと、今までのエージェントはホテルから提供された客室を販売するという、単にホテルから依頼を受ける存在に見えた。

 しかし、先日、パートナーズ会の会合に参加したとき、違うと感じた。施設がエージェントに期待しているのは、「どうしたら自分たち施設の価値が上がるか」「どういうお客さまを取っていくべきか」という提案。エージェントにマーケティングの機能を求めている。

 宿の魅力アップをいかに図るか。その提案ができなければいけない。ホテル側から見れば、いまや自社サイトで客室だけなら十分売れるのだ。今までのような、ただ部屋を提供し、売るという関係だけではいけない。

 

 髙橋 旅ホ連(JTB協定旅館ホテル連盟)とわれわれはまさに運命共同体だ。その関係は大事にしなければならない。

 エージェントに客室を提供すれば必ず売れるという時代があった。しかし、時代は変わった。旅館・ホテルとわれわれが知恵を出し合い、私どもはよく「ならではの価値」と言っているのだが、そういう価値ある商品を作らなければ、これからはお互い生き残れない。

 エージェント側もそうだが、旅館にとっても地域間競争や地域内での競争がある。生き残るには「ならではの価値」を創出することが大切だ。

 旅館・ホテルは世代交代も進んでいる。新しい考え方や価値観を持った人たちが経営を担ったとき、旅ホ連組織も新しい価値を見いだせるような体制と運営が必要になる。

 

 坂巻 旅ホ連(東武トップツアーズ協定旅館ホテル連盟)とは対等の関係の中で、いかに歩調を合わせて新たな価値を生み出すかだ。

 目的を明確に、そして一緒になってやっていこう、という姿勢を打ち出すことが重要だ。

 旅館・ホテルの皆さまとは、単に「送る」「送られる」という関係ではなく、地域が抱えている問題を共に考えるなど、深い関係を築いていかねばならない。

 私どもは旅ホ連の若手経営者と毎年1回、東日本と西日本でそれぞれ懇談会を開いている。その中で、旅ホ連の本部の役員からは会議の席では絶対聞けないようなご意見をいただくこともある。最初は「なんだ」「今までの歴史を何だと思っているのか」とも思ったが(笑い)、いろいろと話をしているうちに見えてきたことがたくさんあった。われわれはしっかりと受け止める必要がある。

 今までは「やあ、よろしく」「また頼みます」みたいな感覚もあったのだが、だんだん通用しなくなってくる。より具体性をもって対応することが必要だ。

 

 堀坂 われわれは日旅連(日本旅行協定旅館ホテル連盟)の「営業推進委員会」「日旅連塾」などを通して、若手経営者とは以前から交流している。坂巻さんのお話ではないが、たまに驚くような話も出るが、お互い胸襟を開いて積極的に対話を進めている。

 われわれは近年、地方創生事業に力を入れている。旅館・ホテルの皆さまはそれぞれ地域の有力者だ。地方創生に取り組む上でも日旅連は非常に重要なパートナーだと認識している。

 時代の変遷の中で、経営が立ち行かなくなったり、後継者がいなかったりで、旅連から抜けられた会員がいる半面、近年はシティホテルの会員が増えている。新たな組織の在り方を考える必要もあるが、われわれと旅連は車の両輪であることはこれからも変わりはない。

 

 ――社長のプライベートをお聞きしたい。まず、昨年6月に社長に就任し、座談会初登場の米田社長から。 

 

 米田 40年ぶりの東京。休日はよく、都内を歩き回っている。

 先日は神宮外苑のイチョウ並木を歩いた。五輪会場の新国立競技場もできており、庭などもきれいに整備されていた。あのエリアは実に東京らしいと感じた。新鮮な発見があり、これからもさまざまなところを見て回りたい。

 東京は学生時代の4年間いただけ。なので、電車はまだ山手線が最初に頭に浮かぶ(笑い)。地下鉄に乗れば早く行けたのにと、後で気付いたりする(笑い)。

 あとは、クラブツーリズムの旅行に参加したりする。先日は富山で「おわら風の盆」を見た。クラブツーリズムがイベントを仕立てて、全国からお客さまを集めている。これこそ総合旅行業のなせる業だと思った。宇奈月温泉に立ち寄り、トロッコ列車にも乗ったが、訪日客も増加傾向とのことで、今後の地方分散化に期待できると実感した。

 

 髙橋 タウンウオッチングを兼ねたウオーキングを相変わらず続けている。

 それとは別に、最近、感銘を受けた場所がある。「命のビザ」で知られる杉原千畝の記念館だ。名古屋から車で1時間半ぐらいの岐阜県八百津町にある。日本ではあまり知られていないが、世界中のユダヤ人が聖地詣でのように、千畝さんに敬意を表して年間数千人単位で来られている。

 わが社にも少なからず縁がある話で、リトアニアで千畝さんからビザを発給されたユダヤの人々は、シベリア鉄道でウラジオストクへ行き、そこから船で敦賀へ、そして敦賀から神戸や横浜へと避難をしていった。その船や国内の輸送を請け負ったのが当時のJTBだった。ちなみに敦賀にも人道の港・ムゼウムがあり、多くの人が訪れている。

 この輸送にあたり、われわれの先輩社員が添乗員として、荒れる日本海を何十往復もした。先日、その社員の名刺を持った当時のユダヤ避難民女性の娘さん姉妹がわざわざ弊社まで来て、80年の時を超えてその名刺を渡してくれた。

 このような、まだあまり知られていないが、ストーリー性のある場所が日本にはたくさんある。

 

 堀坂 私は体を動かすこと。老体にむち打って(笑い)、最近はよく泳いでいる。

 各地を巡ったりもしている。仕事でも巡っているが、それだけでは回り切れないので、休日を使っている。

 DCのとき、われわれは団体臨時列車を仕立てるのだが、できるだけ乗るようにしている。熊本の話ばかりをするようだが、DCの臨時列車から被災した熊本城を見たときは、涙が出た。20年は天守閣がほぼ原形に戻ると聞いている。最近は復旧の過程を見るツアーも各地で行われている。災害について考えたり、新たな需要を創出する、ツーリズムの一つの形といえる。

 

 坂巻 古地図を見ながらの街歩きや、アイドルのコンサートなど(笑い)、いろいろ続けているが、最近は当社が「神田明神文化交流館」の運営に関わっている関係で、そこで上演されている演目を見たり、各地で日本の伝統芸能を鑑賞したりしている。

 下の娘が仕事で北海道に住むようになってから、馬が好きになったといい、東京に帰ったときに馬しかいない動物園に私と一緒に行くようになった。

 

 ――どういうところ?

 

 坂巻 大井とか、浦和とか、中山とか。

 一同 (笑い)

 

 坂巻 馬が走る姿を見ると、とても癒やされる。娘は最前に行って写真を撮ったりしている。

妻は日本全国温泉巡りを始めて、地図に自分が行った温泉地の印を付けている。「連れていけ」というアピールが非常にあるので(笑い)、最近よく行っている。温泉は心のリフレッシュになるし、夫婦間のリフレッシュにもなる。

 一同 (笑い)

 

左から日本旅行堀坂社長、JTB髙橋社長、KNT-CTホールディングス米田社長、東武トップツアーズ坂巻社長

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