JTB総研、旅行マーケットセミナーを開催


パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

 JTB総合研究所(日比野健社長)は、「第1回旅行マーケットセミナー」を都内で開催した。「旅行マーケット変化の予兆を捉える」をテーマにしたパネルディスカッションでは、村瀬茂高ウィラーグループ代表取締役が「商品の差別化と低価格化がより進んだ」と高速バス業界の傾向を示した。

 村瀬代表は「差別化があまり分からない商品は価格だけの勝負になり、より低価格化が進んでいる。その半面、付加価値がはっきりしている商品は昨年と比べて料金が下がらずに販売できている」と語った。

 小里貴宏・同研究所取締役コンサルティング事業部長は村瀬代表らパネリストの発言を踏まえ、「コモディティ化してしまった市場で、どう改めて価値を創造するのかがカギになる。少し高くてもいいものであればそちらを選ぶ『ちょっといい旅志向』がどの世代でもかなり増えている」と観光市場をとらえている。

 セミナーでは同研究所による旅行マーケット予測も発表し、秋以降の旅行需要について「足元の景況は個人消費への懸念が広がっているが、旅行支出は引き続き堅調」(黒須宏志主席研究員)と見通した。また、「これから注意すべき最大のポイントは旅行コストの上昇。これにどう対応するかだ」と観光業界関係者にアドバイスした。

 日比野社長は、テクノロジーの進化、アジアの経済発展、ツーリズム概念の変化などにより「マーケットが非常に変化してきた」と指摘。そうした状況のなか、「未来志向、生活者視点、脱JTB(旅行会社の思考に引っ張られない)、グローバルの四つのとらえ方で事象を分析していく」とJTB総合研究所の市場分析の方向性を示した。

パネルディスカッションの様子
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