4〜6月の中小企業景況、震災影響で悪化


 日本政策金融公庫の全国中小企業動向調査の今年4〜6月期分によると、従業者20人未満の小企業と従業員20人以上の中小企業の景況はともに「東日本大震災の影響で悪化している」として、前期の「持ち直しの動きにかげり」「弱い動き」から判断を下方修正した。ただ、中小企業では来期以降の業況判断DIが改善する見込みで、「先行きには持ち直しの兆しもみられる」としている。

 小企業(従業者20人未満。飲食店・宿泊業などは10人未満)の業況判断DI(よいとする企業割合から悪いとする企業割合を引いた値)はマイナス48.4で、前期(今年1〜3月期)のマイナス43.7から4.7ポイント、マイナス幅が拡大した。

 8つの業種別では、サービス業を除くすべての業種でマイナス幅が拡大した。このうち飲食店・宿泊業はマイナス64.4で、前期のマイナス59.2から5.2ポイント、マイナス幅が拡大。8業種で最も低いDI値となった。

 来期は飲食店・宿泊業のみ好転し、ほかの7業種はマイナス幅が拡大する見通し。

 一方、中小企業の業況判断DI(前年同期比で好転したとする企業割合から悪化したとする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス24.8で、前期のマイナス4.8から20.0ポイント、マイナス幅が拡大した。業種別では、飲食宿泊業が唯一、60ポイントを超すマイナスで、前期から25ポイント近くマイナス幅が拡大した。

 来期の見通しは全業種でマイナス24.4。10〜12月期はマイナス14.3まで改善する見通しだ。

 
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