日本政府観光局(JNTO)が18日に発表した今年3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比18・2%増の260万7900人で3月として過去最高だった。約3割増となった韓国をはじめ東アジアの市場が堅調に推移。昨年は4月中旬からだったキリスト教圏のイースター休暇が、今年は3月末から始まったことで、欧米豪を中心とする市場の旅行需要も高まった。
市場別では、イースター休暇の時期の変動もあり、米国、カナダ、ドイツが1カ月当たりの訪日客数として過去最高を記録した。国の訪日旅行促進の重点市場20カ国・地域のうち、インドネシアを除く19市場が3月として過去最高となった。
市場別で最多の韓国は、26・8%増の61万9200人。SNSでの動画配信や航空路線の新規就航を契機とした旅行会社との共同キャンペーンなどのプロモーションが奏功。航空路線の増便やチャーター便の就航、外国旅行需要の増加傾向もあり、訪日需要が好調に推移した。
中国は、査証(ビザ)発給要件の緩和に伴う個人旅行者の増加などで、16・9%増の59万4900人。台湾は14・0%増の38万7300人で、東北をはじめとする地方へのチャーター便の就航も訪日需要を高め、訪日客数が堅調だった。香港は、イースター休暇の変動で訪日需要が高まり、19・0%増の19万5700人となった。
東南アジアでは、タイが4・2%増の11万6200人。連休を取得しやすい日並びとなったことに加え、日本の春の魅力を訴求する広告宣伝などが訪日意欲を喚起したとみられている。
フィリピンは、イースター休暇の移動の影響が大きく、60・9%増の5万6100人に伸びた。マニラ発の訪日クルーズの運航、ジェットスター・アジア航空のクラーク―関西線の新規就航も訪日客の増加に貢献した。
マレーシア、シンガポール、ベトナムも堅調だったが、インドネシアは、航空券価格の値上がりなども影響したとみられ、10・0%減の3万2400人となった。
欧米豪の市場では、イースター休暇の変動で訪日客数が好調に推移した。米国が15・3%増の15万1千人、豪州が18・9%増の4万7500人、英国が16・0%増の3万6400人、ドイツが11・1%増の2万4900人など。スペインは人数としては1万1500人だが、伸び率は83・9%増と大きかった。
今年1~3月累計の訪日外国人旅行者数は、前年同期比16・5%増の761万8600人となった。韓国が24・4%増の213万1300人、中国が17・9%増の194万3600人、台湾が10・2%増の113万8700人などに達した。
一方、今年3月の出国日本人数(JNTO推計値)は、前年同月比3・5%増の180万7100人だった。1~3月累計では、前年同期比1・9%増の462万1300人となった。