パレスホテル東京(運営:株式会社パレスホテル)は4月8日、2026年1月~3月のホテル宿泊実績を発表した。旺盛なインバウンド需要を背景に3月単月のADR(客室平均単価)が過去最高の151,700円を記録。売上も開業以来最高を達成した。一方、2月末からの中東情勢の緊迫化により、桜シーズン(3月21日~4月12日)の稼働率が前年比10.0ポイント減と急速に悪化。賃上げ4年連続実施という明るい話題も発表される中、先行きへの不透明感が強まっている。
1月~3月累計、インバウンドが全体をけん引
パレスホテル東京の2026年1月~3月累計の宿泊実績は、ADRが120,600円(前年比6,900円増)、稼働率78.3%(同5.2ポイント増)、外国人比率74.5%(同8.3ポイント増)だった。
旺盛なインバウンド需要が数字を大きく押し上げた格好だ。3月単月のADRは過去最高の151,700円に達し、売上は開業以来最高を記録した。
しかし好調な数字の裏で、足元の状況は急変している。
2月末ごろから中東情勢の緊迫化に伴い、インバウンド予約の受注ペースが急速に鈍化。例年インバウンド需要が特に好調な桜シーズン(3月21日~4月12日)は、4月初旬時点で稼働率が前年比10.0ポイント減少したと明らかにした。
Zentis Osaka、稼働率が14.2pt 大幅減 万博需要の反動と中国客減少が直撃
大阪のZentis Osakaも苦戦を強いられている。
2026年1月~3月の稼働率は60%で、前年比14.2ポイント減と大幅な落ち込みを記録した。ADRは23,700円(前年比900円増)、外国人比率は78.1%(同0.6ポイント減)だった。
要因として発表では、前年が大阪・関西万博の準備に伴う宿泊需要で高水準だったことに加え、昨年末より続く中国本土からの旅行客の減少を挙げている。さらに中東情勢の緊迫化による予約キャンセルも発生していることを明らかにした。
4年連続の賃上げ、4年間の合計23%超 初任給は大卒265,000円に
暗いニュースが続く中、雇用面では積極的な姿勢を示した。
株式会社パレスホテルは4年連続となる賃上げを実施したと発表。対象は全社員800名強で、定期昇給に加え一律11,800円のベースアップを実施し、平均6.0%の昇給となる。
同社は2023年以降、継続的な賃上げに取り組んでおり、この4年間で合計23%以上の給与を引き上げてきた。
2026年4月1日に入社した新入社員の初任給についても同様に11,800円を引き上げた。大学卒265,000円、専門・調理学校卒(2年制)は244,830円となる。
同社は賃上げの意義について、「パレスホテル東京が目指す『最上質の日本』を提供し続けるためには、スタッフ一人ひとりが安心して働ける環境づくりが不可欠です。今後も、スタッフの働きがいや働きやすさを向上させる取り組みを継続してまいります」と発表文の中でコメントしている。




