観光業界が期待するシルバーウイークが5連休と、まれなる年になった。長雨に見舞われた9月の中盤までの業績を挽回したいと目論む施設も多いが、台風25号の影響もあり各地で雨が予想され、またもや天候によるキャンセルが続出する可能性が高い。
インバウンドは国際航空券を購入しており、日本での滞在日数が長く、天候により旅行をキャンセルすることは少ないだろう。したがって、その誘客は低迷する日本人の国内旅行をカバーする意味においても重要である。
わが社は羽田空港から京急で7分、自宅は成田空港から17分が最寄り駅である。その鉄道はインバウンド乗車率が極めて高い。首都圏では、ファストフード店やコンビニのスタッフも外国人が多くなっている。外国人労働者は250万人を超えている。鉄道も店も外国人比率が高く、時々どこの国にいるのか分からない瞬間がある。
昨年、インバウンドは4268万3600人を迎え入れた。その訪日客の動向がスマートフォンの位置情報により判明した。人流トップ100は22都道府県に分布したが、残りの25県は1地点も入らず、北海道のニセコや京都の寺社、大都市に集中した。
観光庁のまとめでも、延べ宿泊人数は東京、大阪、京都、北海道、沖縄で69.7%を占め、31県は1%未満である。外国人の延べ宿泊者数は1億7786万8千人で、東京が5959万人。上位5都道府県で1億2404万人(全体の69.4%)を超えた。
インバウンドのオーバーツーリズムと人口減少による地方の衰退をどう防ぐのか。インバウンドを全国各地に分散させることが緊急で大きな課題である。地方では外国人なんか1人も見たことがないという地域も少なくない。
一方、東京への出張者の悩みは出張旅費規程で収まらない宿泊料金の高さである。行政も企業も改定してきているが、従来1万1千円だったものがいきなり3万3千円にはならない。しかし現実はそれに近い金額である。インバウンド価格に引っ張られている。ただ札幌、首都圏、関西圏、福岡以外の地方は、まだまだ1万1千円で収まるところがほとんどである。
たとえ金額が高くても、ホテルという箱の中は世界中どこもそっくりな造りであり、日本にあっても日本の文化を感じない。外国人の志向はさまざまだ。安くて個性的な施設を求めるのであれば、民宿やゲストハウスとなる。
さらに割安なのは、最近また問題続出の民泊である。当初より、今はもっと増えているのかもしれない。しかし空き部屋貸しの民泊は、管理をする人も、そのビジネスを監督する人もおらず、ごみ、深夜の大声など、お客にモラルがない人が多いことから、地域の住民に大きな不快感を与えている。そのため条例で禁止や営業日数を削減することも可能となった。
利用をする人のモラルを醸成しなければ、日本はお客をもてなす国から歓迎しない”心の鎖国”になる。




