●ヒューマニティとは
「人間性尊重精神」というと、難しく感じてしまうかもしれませんが、文字のとおり、素直に考えてみましょう。
誰しも、「自分らしさ」を大切にしたいと考えます。「自分らしさ」の内容は人によって違いますが、共通する部分は「誰かに強制されたくない」「誰かの都合で制限されたくない」という部分にあるのではないでしょうか。
とはいえ、ときに我慢をしたり譲ったり妥協をすることもあるでしょう。「自分らしさ」を大切にしたいからといっても、全てを自分の思うとおりに行動することは、社会生活を送る中で認められない主張です。
では、逆に考えてみましょう。「自分らしさ」を全て否定されたとしたら、どのように感じますか? きっと、絶望に近い気持ちになるのではないでしょうか。
そうです。全てを思う通りに行動することが認められないのと同様に、自分以外の「自分らしさ」を全て否定することは、許されないことなのです。
「共によりよく生きる」。それが、人間性尊重精神です。社会生活を送る中で、全てを否定するのではなく、その人らしさを大切にする(尊重する)こと、物事を「全肯定意識」を持って受け入れることが、ヒューマニティです。
全てをかなえることができなかったとしても、相手が必要としていることを尊重することが、ヒューマニティの最初の一歩です。ときには、手伝わないことも、ヒューマニティの精神です。相手の気持ちを察して、相手が喜ぶことを考えて行動することが、ヒューマニティだからです。
例えば、1人でご飯が食べられるようになった子供は、周囲にちょっと料理をこぼしながらも、1人で食事をすることに達成感と満足感を得ます。料理が飛び散るからと、1人で食べることをやめさせ、大人が食べさせてあげるという行動は、ヒューマニティではありません。できることまたはやりたいという意思がある場合は、公序良俗に反しない限り、見守ったり、そっとサポートすることがヒューマニティなのです。
* *
■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「~ホスピタリティの先にあるもの~接遇介助士ホスピタントの教科書」が星雲社から発売中。問い合わせは同社電話03(3868)3275。




