訪都外国人、4月の都内延べ宿泊者数は前年比約10%減の415万人 アメリカは前月比84%増と大幅伸長


 公益財団法人東京観光財団(TCVB)は6月25日、人流データを活用した訪都外国人旅行者の行動傾向レポート「vol.9」(令和8年4月推計値)を公表した。

 4月の都内全体の延べ宿泊者数は4,156,096人。前年同月比では約10%減となったが、前月(3月)比では約15%増加した。

アメリカが首位、東アジアのシェアは縮小傾向

 23区の国・地域別延べ宿泊者数は、多い順にアメリカ(541,109人)、韓国(503,084人)、台湾(470,280人)、中国(298,183人)、タイ(216,641人)と続く。

 前月(3月)比の変動では、アメリカが約84%増と突出した伸びを記録した。韓国は約40%増、中国は約57%増と増加。一方、台湾は約24%減少した。

 東アジア(韓国・香港・台湾・中国)が全体に占める割合は36%。1月(56%)、2月(55%)と半数を上回っていた東アジアのシェアは、3月(41%)、4月(36%)と、半数を下回る状態が続いている。

エリア別では23区が97%超を占める

 エリア別の延べ宿泊者数割合(2026年4月)は、23区が97.14%、多摩地域が2.85%、島しょ地域が0.01%。

 23区の延べ宿泊者数は4,037,255人で、前年同月(4,305,170人)を下回った。多摩地域は118,256人で前年同月(335,636人)から大幅減。島しょ地域は585人で、前年同月(2,300人)から急減した。地域別に見ると、23区は増加したが、多摩・島しょ地域は減少した。

23区中心部メッシュマップ、アメリカからの来訪者が全体的に増加

 3区中心部のメッシュマップ(100m単位)の分析では、アメリカからの来訪者が全体的に増えている傾向が確認された。

 エリアごとの国・地域別来訪者構成は以下の通り。

 千代田区・中央区(秋葉原、東御苑、東京駅、銀座、築地エリア)では、アメリカが19.7%でトップ。韓国16.0%、台湾13.1%が続く。フランス(2.6%)、イギリス(2.7%)、香港(2.7%)、中国(2.9%)、タイ(3.5%)、オーストラリア(4.5%)といった多様な国・地域からの来訪者が確認された。

 港区(表参道、六本木、東京タワー、新橋エリア)では、韓国が34.4%と突出してトップ。アメリカ(21.9%)、台湾(12.1%)と続き、中国(4.2%)、オーストラリア(2.8%)、ドイツ(1.6%)の来訪者も含まれる。

 渋谷区(新宿駅・渋谷駅周辺、明治神宮前エリア)では、アメリカが23.1%でトップ。韓国(12.7%)、台湾(12.7%)が同率で続く。タイ(5.5%)、オーストラリア(6.0%)、イギリス(3.6%)、フランス(3.1%)、香港(2.1%)、マレーシア(1.8%)、シンガポール(1.7%)の来訪者も分布している。

 新宿区(新宿駅・都庁前駅、高田馬場周辺エリア)では、アメリカが22.8%でトップ。韓国(14.3%)、オーストラリア(7.7%)、タイ(5.5%)、イギリス(4.0%)、フランス(3.4%)、香港(2.6%)、中国(2.0%)、カナダ(1.6%)、インドネシア(0.9%)の来訪者構成が確認された。

 豊島区・文京区(池袋駅、六義園周辺エリア)では、台湾が26.4%でトップ。韓国(22.5%)、アメリカ(14.0%)、香港(10.7%)、タイ(5.1%)、フランス(2.8%)、イギリス(1.5%)と続く。

 台東区・墨田区(浅草、上野、東京ソラマチ周辺エリア)では、台湾が17.2%でトップ。アメリカ(14.6%)、韓国(10.3%)、タイ(10.0%)、オーストラリア(4.3%)、フランス(3.7%)、香港(2.4%)、中国(2.3%)、ドイツ(2.2%)、フィリピン(2.0%)、ベトナム(1.3%)の来訪者も分布している。

 臨海部(お台場、豊洲、有明エリア)では、韓国が24.0%でトップ。台湾(19.2%)、アメリカ(15.3%)、ベトナム(7.9%)、香港(4.0%)、オーストラリア(4.4%)、イギリス(2.8%)、中国(1.5%)の構成だった。

ジブリ美術館は欧米豪・台湾韓国に人気、ピューロランドは東南アジアも多数

 今月のレポートでは、都内主要観光スポットの来訪者傾向として「エンタメ・アミューズメント」カテゴリから2か所をピックアップ。2025年1年間の来訪者傾向を分析した。

 三鷹の森ジブリ美術館は、10月の来訪者が最多。比較的欧米豪、台湾・韓国の割合が高いことが特徴だ。アメリカからの来訪者は7,182人と記録された。

 サンリオピューロランドは、12月が最も多い来訪者数を記録。東アジア、北米に加え、東南アジアからの来訪者が多いことも特徴的だ。韓国からの来訪者は8,081人に上る。

レポートの概要・データの仕組み

 本レポートは、TCVBが令和4年度より導入した観光動態分析ツール「おでかけウォッチャー」から得られるデータを基に、毎月公表しているもの。東京都がプロモーションを実施している主な16市場(国・地域)からの旅行者の行動傾向を報告し、都内自治体や観光産業に関わる事業者のマーケティング活動の一助とすることを目的としている。

 「おでかけウォッチャー」は、公益財団法人九州経済調査協会が、位置情報データを活用した広告・分析サービスを提供する株式会社ブログウォッチャーと共同開発したクラウドの観光動態モニタリングサービス。訪日外国人旅行者によるスマートフォンのGPS位置情報を複数の訪日データ企業から取得し、広範囲かつ大規模な人流データを準リアルタイムで分析する。

 データの基本的な仕組みとして、訪日外国人が利用する地図アプリ、翻訳アプリ、観光情報アプリ等で本人が位置情報の取得に同意したデータが、個人が特定されない形で取得・活用される。サンプル数は非公開(国内版は月間3,000万サンプルで国内最大級)。観光スポットは日本観光振興協会「デジタル観光統計オープンデータ」に準ずる各都道府県数百から数千か所で、都内の登録スポット数は約2,200。

 宿泊地の判定は21時から翌3時の間に最後に位置情報ログを取得した市区町村を宿泊地とする方式を採用。訪日旅程の判定は、日本国内の位置情報データが初めて記録された日を入国日、最後に記録された日を出国日とし、入国日から出国日が20日以内の旅程を訪日旅程と判定する(21日以上滞在した場合は来訪者数に含まれない)。

 来訪者数および周遊者数は、日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」の年月・国籍別訪日外客数(推計値)を用いて拡大推計を実施しているため、記載の数値は実数ではなく推計値。データの更新頻度は月次で、当月分を翌々月第3木曜に反映する(2か月前が最新)。

 取得できる訪日外国人旅行者の国・地域は、東アジア(韓国・香港・台湾・中国)、東アジア除くアジア(タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナム・インド)、ヨーロッパ(イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・ロシア・北欧4カ国)、北アメリカ(アメリカ・カナダ・メキシコ)、オセアニア(オーストラリア)、中東(中東8カ国)、その他。

 メッシュ別来訪者数はメッシュごとの来訪者数(延べ人数)を集計して表示し、本レポートでは1メッシュを100m単位としている。

 
 
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