【体験型観光が日本を変える444】若者には体験プログラムが必要 藤澤安良


 昨年の訪日客の動向がスマートフォンの位置情報により判明した。人流トップ100は22都道府県に分布したが、残りの25県は1地点も入らず、北海道のニセコや京都の寺社、大都市に集中した。

 観光庁のまとめでも、外国人の延べ宿泊人数は東京、大阪、京都、北海道、沖縄で69.7%を占め、31県は1%未満である。宿泊人数は1億7786万8千人で、そのうち東京が5959万人。前出の上位5都道府県で1億2404万人となった。オーバーツーリズムと人口減少による地方の衰退を防ぐために、全国各地にインバウンドをどう分散させるかが緊急で大きな課題である。

 全国で連日のようにクマ出没のニュースが流れる中、修学旅行の行き先が変わる事態が起こっている。昨年のクマ目撃件数は5776件と、報道が追い付かないほどの件数である。慣れで済ませてはいけない。人命と経済に影響が及ぶことであり、クマ対策を地方自治体はもちろん、国としても動き出さなければならない。

 都会で起こっていたトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)による強盗事件が郊外や田舎にも及んできている。2022年以降、トクリュウと思われる強盗の容疑者が1万人も逮捕されており、未成年から30代までが多いとのこと。

 いったい若者は何をしているのか。働きたくない、職場が合わない、仕事が大変だなどと逃げていては生活の糧が得られない。つまりお金がない。思うことができないどころか、食べていけないことになる。そうなってからなすすべがなく、トクリュウで強盗殺人を犯しては、人生を台無しにすることになる。

 人との接触が苦手、打たれ弱く、困難なことから逃げていく、などは人間関係構築能力不足であり、交流コミュニケーション不足が要因の一つである。ゲームやユーチューブなどゲーム機やテレビ画面ばかりとにらめっこしていても、人間力や生きる力は得られない。体験交流プログラムが必要だ。

 米国とイランの戦争状態から終戦への道筋を探る交渉も進まないまま、ホルムズ海峡を巡って部分的な攻撃が相次いでいる。この戦争で世界中が大きな影響を受けている。

 アジア諸国の原油備蓄量は多くの国が100日を切っており、先行き不安が広がっている。日本でもサーチャージが値上げし、海外旅行のマイナス材料になっている。

 インバウンドは中東のハブ空港がイランからの攻撃を受けたこともあり、欧州から中東経由の減便もあってか、一部の欧州客が減っている。加えて、日中関係悪化により中国客の落ち込みが大きく、4月の訪日客は前年比21.7万人も減少した。インバウンド頼みの日本の観光業界も次の別の課題が生まれている。

 日本ではナフサ不足で、その由来製品の生産ができないことによる経済への影響が大きい。物価高の情報が連日報道され、公約による食料品消費税期限付きゼロや給付金の話は議論半ばで先行き不透明のままである。

 まずは日本人の国内旅行マインドを刺激するような政策が求められている。

 
 
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