【VOICE】地域の個性が地域の魅力 株式会社南山城 代表取締役 森本健次氏


森本氏

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自分たちのモノサシで勝負を

 われわれが運営する道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」のレジ通過は年間60万人を超える。開業10年目を迎え、年間売り上げも7億円を超えた。

 南山城村は2014年、全国で17番目に消滅の可能性がある自治体とレッテルを貼られた人口約2300人の過疎の村。その村で道の駅計画が動き始めたのは2010年。当時、私は南山城村役場職員として、ゼロから道の駅プロジェクトに携わってきた。

 計画当時、村の人たちからは「観光地でもない村の道の駅に誰が来るのか?」とか、茶業関係者から「お茶は売れない。売れるものなら売ってみろ」と揶揄(やゆ)されながらも、2017年に開業。今では、村のお茶を使ったオリジナルのスイーツが人気を博し、「お茶が有名」と、スイーツやお茶を買い求めるために、京都や大阪など2時間圏内から多くの方が訪れる人気スポットとなったのだ。

 道の駅が開業するまでは、いわゆる観光資源のない村の観光入込客はゴルフ客が大半。ゴルフ場の名称自体は知られているが、それが南山城村と知って来る人は多くはなかったと思う。神社仏閣を中心とした歴史文化の名所が集積する京都や奈良など、日本を代表する古都の観光圏が身近にあり、そういった「名所めぐりが観光」と考えるきらいがある。故に公的な観光マップには観光資源として地元で祭られてきた地域の神社仏閣が堂々と記載されている。確かに地元の人にとっては、氏子や檀家として暮らしの中にある大切なものには違いない。だが外の人にとってはどうだろうか。特に名が知られているわけでもない地域が観光に力を入れると聞くと、そう思ってしまう。

 例えば、われわれのお茶は「村茶(むらちゃ)」としてブランディングを行い、「お茶の一点突破」をやってきた。南山城村は宇治茶の主産地として、質・量ともに今も宇治茶を支えている。5月の上旬にもなるといろんな生産者から新茶をいただく。一口にお茶と言っても、作り手によって全く違うし、畑や摘期によっても味の違いがあって面白い。合組(ごうぐみ)と呼ぶ茶商の伝統あるブレンド技術で仕上げられたお茶に対し、農家ごとの風味を楽しむお茶。その違いが個性であって魅力なのだと思う。もっと言えば、村人の暮らしを形成してきた文化、脈々と続けられてきた村人の営みが地域の個性、地域固有の魅力であるはず。村人の営みという、いろんな意味での他人のパーソナルエリアに立ち入ることの抵抗はあれど、いわゆる観光地のモノサシを村に当てても勝ち目はなく、自分たちのモノサシをどう持つかが重要だと思う。

森本氏

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