【地域創生と観光ビジネス101】ハワイは究極のチップ3択制 シンガポール組はリベンジを 千葉千枝子


 例年2月は、本務校・淑徳大学経営学部の正課授業「短期海外研修」の現地実習に引率教員として赴いている。

 実習の目的地はシンガポールとハワイの2コース。筆者は、ここ数年、ハワイを引率担当してきた。学生は希望のコースを選ぶことができる。

 1学年のうち、約半数以上が履修登録をする人気の科目で、対象は2年次。なぜ人気かといえば、大学側が学生に対して1人10万円の費用補助を行っているから。航空運賃などが高騰するなかで、学生たちにとっては、ありがたい制度と受けとめられてきた。今回が初めての海外旅行という学生も少なくない。

 座学を織り交ぜて構成される通年科目で、帰国後はレポート提出が課され、成績評価がなされる。パスポートの取得からCIQ、現地訪問する日系企業の動向など、経営学としての側面も学んでから渡航する。旅行会社は近年、コンペで決定している。

 今回の渡布でつくづく感じたのが、「かつての常識は非常識」であるという点。

 まずはハワイのチップ。「ピローチップ(枕銭)は1ドル紙幣、レストランでの食事やタクシーは総額の15%程度」というのは、今では過去のこと。現在、ハワイでは、枕銭は最低でも2ドルからで、高級ホテルにおよんでは1泊につき5ドル紙幣を置くのが当たり前になっている。

 また、朝食やランチのチップは最低18%からで、表示された金額よりも2割増し程度を覚悟しないとならない。

 昼下がり、クヒオ通りのハンバーガーショップでランチをとろうとカウンターで注文したら、端末上の「18%・20%・22%」からチップ割合を選ぶように店員から促された。

 まさかの3択。ついつい中央に示された「20%」をタップして会計へと進んだ。”平均的”を好む日本人らしいなと自省した。

 さらにディナーは最低20%から。テーブルサービスのある高級レストランでは、25%程度は支払わねばならない時代になった。

 ダウンタウンの目抜き通りを夜、歩いていると、日本人の姿がほとんど見られない。というのも節約志向で、スーパーで買った総菜をホテルやコンドミニアムの客室で食べる人が増えているらしい。いつも行列の「Marukame UDON Waikiki (丸亀製麺)」も、値段をみれば我慢したくもなる。

 さて、ハワイ出発の1週間前に予定されていたシンガポールコース履修生48名は、なんと当日、催行中止の悪夢に見舞われた。

 あの日、東京・羽田は雪模様。朝早くに空港集合した学生たちは出国審査を無事、通過したが、航空便は遅延が重なり、日が暮れたころに欠航が正式に決まったのである。同行教員や添乗員は、翌日以降の代替座席が確保できないか、また、周辺ホテルの空室をあたるなど、あらゆる可能性を模索したが、断念せざるを得なかった。渡航中止を知って、空港で泣きくずれた者もいた。

 旅行代金は全額返金、航空会社の補償がプラスされて後日談。学内で折衝して、費用補助にかかる年度予算の留保を申し出た。

 来年2月、シンガポール組はリベンジを果たす予定だ。

 (観光ジャーナリスト・淑徳大学経営学部観光経営学科教授 千葉千枝子)

 
 
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