ICCA2025年版国際会議統計から読み解く世界のMICE最新潮流 日本は77都市で1回以上開催、アジア太平洋地域ではトップ


 ICCAが発行した2025年版のビジネス分析および国と都市のランキング統計は、世界のMICE産業が直面する現状と未来への指針を示す重要な資料です。本記事では114ページに及ぶ資料の中で、MICE TIMES ONLINE編集部が注目したポイントを中心に、世界全体の動向を見ていきます。特にアジア太平洋地域における著しい成長や、日本の各都市がどのような位置にいるのかを深く掘り下げています。一部データは編集部にて集計を行いました。
国際的な会議が開催都市にもたらす真の価値や環境への配慮など、今後の都市開発や戦略構築に不可欠な情報を網羅してお届けします。(記事提供:MICE TIMES ONLINE)

※本記事はICCAよりプレスに向けて提供された「ICCA GlobeWatch: Business Analytics – Country & City Rankings 2025」をもとにMICE TIMES ONLINE編集部の視点を加えて、作成したものです。

 

ICCA CEOが語る業界の回復と持続的な価値の創造

 ICCAのセンティル・ゴピナスCEOは、2025年版の報告書の冒頭において、今回のデータが業界の強靭な回復力を証明するものであると明言しています。今回の報告は、世界中の加盟機関から提出され、専任の調査チームが信頼性を確認した、1万2438件以上の国際会議および地域協会会議の情報を基に構成されています。この報告書は、過去の傾向を振り返る目的に留まらず、会員がより賢明な意思決定を下し、強力なビジネス機会を追求するための実用的な情報源として位置付けられています。さらに、各国の政府への政策提言や民間投資を促進するための確固たる根拠としても活用されることが意図されています。

 国際会議は、開催期間中のホテル宿泊や飲食といった短期的な経済消費を生み出す側面を持っていますが、その真の価値は、科学の進歩や政策立案、そして国境を越えた協力関係の構築など、社会的な遺産を形成する点にあります。ゴピナスCEOは、162の国と地域、および1603の都市がランキングに名を連ねている事実は、グローバルなコミュニティの野心的な姿勢を反映していると語ります。世界が昨年どこで会議を開催したかを示すこの膨大なデータは、今後の会議開催地を決定する上での最も重要な羅針盤となります。

ICCAとは

 国際会議協会(ICCA)は、国際協会会議業界のためのグローバルなコミュニティであり、知識ハブです。1963年に設立されたICCAは、国際協会および政府機関の会議分野に特化し、比類のないデータ、教育、コミュニケーションチャネルに加え、ビジネス開発やネットワーキングの機会を提供しています。今日、ICCAは国際会議の世界で最も著名な組織の一つであり 、 その発展を積極的 に推進しています 。ICCA 協会コミュニティなどの取り組みを通じて、世界中の協会に対し、ICCA会員サプライヤーのグローバルネットワークを活用し、より効果的で成功する会議の開催を支援するための教育、ネットワーク、ツール、リソースを提供しています。

ICCAのレターより引用

会議のイメージ

全体の傾向から読み取る市場の構造変化と主要な指標

開催地域トップは約53%を占めるヨーロッパ、アジア太平洋は約22%

 2025年のデータによると、国際会議の開催地域において、ヨーロッパが全体の53パーセントを占めて最大のシェアを維持しています。これに続くのが、アジア太平洋地域の22パーセントと、北アメリカの10パーセントです。ラテンアメリカが9パーセントで、アフリカが4パーセント、そして中東が2パーセントという内訳になっています。これらの数字は、人々が対面で集まる際に、知識がどれほど広範囲に伝播するかを明確に示しています。

会議の規模:9割が参加者1000人未満。大型会議の件数は以前の状況に持ち直す

 会議の規模に関する分析では、全会議の9割が、参加者1000人未満の規模で開催されていることがわかります。しかし、回復力という観点で見ると、1000人以上の大規模な会議が、2019年の水準を維持するか、それを上回る結果を示しています。特に参加者が3000人を超える超大型の国際会議は、完全に以前の状況まで持ち直しており、大規模なコンベンションが、最も耐久性のある開催形式であることが証明されました。

主題の傾向:医学分野がトップ、技術、科学分野が続く。急成長する安全保障、高水準のAI

 会議で取り扱われる主題の傾向も見逃せません。医学分野が2688件でトップとなり、次いで技術分野が2363件、科学分野が2038件と続いています。これらに、教育分野が1052件、産業分野が969件、社会科学分野が777件、経営学分野が701件、経済学分野が650件、交通通信分野が540件、文化アイデア分野が507件と続いています。興味深い変化として、安全保障分野と図書館情報分野の躍進が挙げられます。安全保障分野は2025年に208件の会議が開催され、図書館情報分野は168件でした。
これらの数字は全体の規模からすると小さいものの、2021年の時期と比較すると、約3.9倍という急激な成長を記録しています。組織や機関が、情報統治やリスク管理に対して、かつてないほどのリソースを割いている現状を反映しています。

 人工知能に関連する会議の動向も注目です。過去10年間で、人工知能関連の会議は着実に増加し、2024年には過去最高の79件を記録し、2025年も76件と高い水準を保ちました。通常、新しい技術のテーマは学術界で頂点を迎えた後に市場へ波及しますが、人工知能の場合は、学術界での研究と市場の普及が同時進行で動いています。現在、量子コンピューティング、合成生物学、気候工学といった分野で開催されている会議の動向を追うことは、今後10年の経済的な優先課題を予測することなるかもしれません。

世界を対象とした国と都市の最新順位と専門分野における強み

国際会議開催件数 上位20カ国

順位 国・地域名 開催件数
1 アメリカ合衆国 792
2 イタリア 616
3 ドイツ 565
4 スペイン 544
5 イギリス 502
6 日本 491
7 フランス 476
8 ポルトガル 356
9 オランダ 330
10 中国 326
11 カナダ 312
12 韓国 286
13 ブラジル 276
14 オーストラリア 241
14 ベルギー 241
16 オーストリア 239
17 スウェーデン 227
18 ポーランド 215
19 デンマーク 204
19 ギリシャ 204

第1位はアメリカ。イタリア、ドイツが都筑、日本は8位から6位に躍進

 2025年の国別ランキングでは、アメリカ合衆国が792件の国際会議を開催し、引き続き世界第1位の座を維持しています。第2位はイタリアで616件を開催し、第3位のドイツが565件で続いています。第4位はスペインの544件で、第5位にはイギリスが502件で入っています。日本は491件の会議を開催し、2019年の8位から順位を上げて、世界第6位に躍進しました。これは、主要な会議開催国の中で、日本が着実な成長を遂げている証拠です。

 他に大きな変化として、ブラジルが276件を開催して第13位に浮上したことが挙げられます。ブラジルは2020年以前の開催水準を大きく上回っており、ラテンアメリカ地域全体の国際的な地位の向上を示す象徴となっています。

都市別ランキング

順位 都市名 開催件数
1 リスボン 188
2 パリ 174
3 バルセロナ 166
4 ウィーン 159
5 シンガポール 156
6 プラハ 133
7 コペンハーゲン 131
8 ロンドン 124
9 ソウル 121
10 東京 119
11 バンコク 118
12 ベルリン 112
13 マドリード 108
14 ブリュッセル 105
15 香港 102
16 ローマ 101
17 アテネ 100
18 ダブリン 95
18 イスタンブール 95
20 アムステルダム 91
20 ブエノスアイレス 91

 都市別の世界ランキングに目を向けると、ポルトガルのリスボンが188件の会議を開催し、第1位に輝きました。第2位はフランスのパリで174件を開催。第3位はスペインのバルセロナで166件。第4位はオーストリアのウィーンで159件を開催し、第5位はシンガポールで156件の会議を誘致しました。第6位はチェコ共和国のプラハで133件、第7位はデンマークのコペンハーゲンで131件、第8位はイギリスのロンドンで124件、第9位は韓国のソウルで121件となっています。そして、日本の東京が119件の国際会議を開催し、世界第10位にランクインしました。

都市の持つ「個性」にも注目

 都市が持つ専門分野の深さも、大切な視点です。ダブリンは全体ランキングでは18位ですが、医学分野と科学分野の両方で世界トップ10に入っており、アイルランドの生命科学分野における研究基盤の強さを反映しています。台北は全体の会議数では23位ですが、医学、科学、技術の主要3分野すべてにおいて、世界トップ15に入っています。カナダのモントリオールは技術分野で世界6位となり、世界的なイノベーション拠点としての地位を確固たるものにしています。ポルトガルのポルトは、全体の開催規模に対し、科学分野の会議で9位に食い込んでいる点が特筆されます。

韓国最大の展示施設KINTEXは新棟建設を行っています(2025年取材)
https://micetimes.jp/report-kintex-2025/ 取材記事はこちらから

戦略的な会場選びとインフラ投資がもたらす都市の優位性

 国際会議を成功に導くためには、開催都市がどのような会場施設を提供できるかが、大きな意味を持ちます。コンベンションセンターや展示施設は、国際会議市場において、都市の戦略的な基盤です。バルセロナ、ドバイ、ソウル、バンクーバーといった都市は、何世代にもわたる利益を見据えて、コンベンション施設に大規模な投資を行ってきました。専用に建設された施設は、より多くの会議を誘致し、参加者の滞在期間を延ばし、都市内のあらゆる産業に対して経済的な波及効果をもたらします。

世界中で進行する大規模施設建設・拡張のプロジェクト

 世界的な動向として、サウジアラビア、インド、中国、アメリカ合衆国などで、政府主導による次世代のコンベンションセンター建設への数十億ドル規模の投資が進められています。現在、世界36カ国で75件以上の大規模な施設の建設や拡張プロジェクトが進行しており、その投資総額は300億ドルを超えるとされています。これは単なる建物の建設ではなく、未来の知識交流を支えるインフラへの長期的な投資です。

重要な差別化要因となっている持続可能性(サステナビリティ)

 会場に求められる要件も大きく変化しています。現代の施設設計において、柔軟性は不可欠な要素です。スペインのフィラ・デ・バルセロナの新しい施設のように、巨大な柱のない空間を持ち、大規模な全体会議から少人数の分科会まで、プログラムの進行を妨げることなく対応できる空間が求められます。
また、持続可能性は、競争における重要な差別化要因となっています。オーストラリアのメルボルン・コンベンションセンターが環境評価で最高ランクの6つ星を獲得した事例や、コスタリカの施設が独自の炭素基準を設けた事例、カナダのバンクーバーの施設がプラチナ認証を複数取得した事例は、環境への配慮がビジネスの成長に直結することを証明しています。

大学での開催が全体の1/3以上に。ホテルやコンベンション施設を上回る

 大学施設が果たす役割も見落とすことはできません。ICCAのデータによれば、全体の36パーセントの会議が大学で開催されており、ホテル施設の28パーセントやコンベンションセンターの27パーセントを上回っています。イギリスのエディンバラ、オランダのライデン、ベルギーのルーヴェン、フランスのリヨン、イギリスのケンブリッジといった都市は、大学が持つ研究分野での名声を利用して国際会議を惹きつけています。存在感のある医学部は医療関連の会議を呼び込み、優れた工学部は専門技術の協会を惹きつけます。

 開催都市の競争力は学術的な評価の上に成り立っていることが多く、協会の会議を誘致するアンバサダーの59パーセントが大学関係者であるというデータも、それを裏付けています。大学を戦略的なパートナーとして位置づける都市は、今後さらに国際会議の誘致で有利な立場を築くことになります。

環境への配慮と異常気象への対応がもたらす新たな基準

 国際会議の開催において、環境への配慮と持続可能性は、かつてないほど意思決定の要因として重みを増しています。最新の調査によると、全体の66パーセントの協会が、持続可能性を非常に重要、または極めて重要であると評価しています。これは2023年の60パーセントから上昇した数字です。多くの組織が、イベントの計画や戦略的な手続きの中に、環境配慮の視点を組み込んでいます。

 しかし、高い意識と実際の行動の間には、まだ大きな隔たりが存在します。年次報告書で持続可能性に向けた取り組みを公表している協会は、わずか12パーセントにすぎません。また、開催地の選定に向けた提案依頼書の中に、具体的な持続可能性の基準を含めている組織も24パーセントにとどまっています。この分野で具体的な解決策を提示できる開催地や会場は、今後大きな優位性を持つことになります。

 同時に、異常気象の脅威が現実のものとなっています。2004年から2024年の間に、極端な気象現象によって開催が妨げられたイベントは、世界中で2091件に上ります。被害額が10億ドルを超える規模の気象災害は、2025年だけで55件発生しており、過去の年間平均である9件を大きく上回る事態が続いています。アメリカ合衆国においては、このような大規模災害が発生する間隔が、1980年代の82日から直近の10年間ではわずか19日にまで短縮されています。

 このような状況の下で、開催地の回復力と事前の対策は、会議誘致における必須条件となりました。極端な天候に対する明確な対応計画や、迅速な復旧インフラ、そして参加者への的確なコミュニケーション手段を整備している都市が、優先的に選ばれる傾向が強まっています。環境負荷の低減に向けた具体的な実績を持つ会場は、エネルギー効率や廃棄物処理のコストを抑えることができるため、経済的にも合理的な選択肢となります。


アジア太平洋地域における競争力の源泉と各国の動向

 アジア太平洋地域は、世界の国際会議市場において非常に強力なネットワークを形成しており、着実な成長を続けています。2023年から2025年にかけて、この地域の会議開催数は33パーセントの増加を記録し、世界第2位の市場としての地位を不動のものにしました。この地域からは、世界トップ50の国別ランキングに14の国と地域が入り、都市別ランキングにも14の都市が名を連ねています。これは世界全体の約30パーセントを占める割合であり、アジア太平洋地域の影響力が増していることを示します。

重要な国際会議が多く開催される東京国際フォーラム

アジア太平洋内の国別順位は、日本が圧倒的な第1位

 アジア太平洋地域の国別ランキングでは、日本が491件の国際会議を開催し、圧倒的な差をつけて第1位となりました。第2位は中国で326件、第3位は韓国で286件、第4位はオーストラリアで241件、第5位はタイで171件です。これに続いて、インドが158件で第6位、シンガポールが156件で第7位、マレーシアが143件で第8位、台湾が137件で第9位、インドネシアが110件で第10位となっています。その後も、香港、ニュージーランド、ベトナム、フィリピン、マカオなどが続きます。

都市別ではシンガポールが第1位。ソウル、東京と続き、10位には京都がランクイン

アジア太平洋都市別(20位まで)

順位 都市名 国・地域名 開催件数
1 シンガポール シンガポール 156
2 ソウル 韓国 121
3 東京 日本 119
4 バンコク タイ 118
5 香港 香港 102
6 台北 台湾 89
7 クアラルンプール マレーシア 73
8 シドニー オーストラリア 62
9 上海 中国 57
10 京都 日本 53
11 北京 中国 51
12 ブリスベン オーストラリア 50
12 釜山 韓国 50
14 バリ インドネシア 48
15 マカオ マカオ 47
16 メルボルン オーストラリア 45
17 マニラ フィリピン 38
18 ニューデリー インド 36
19 大阪 日本 35
20 杭州 中国 27
20 ホーチミン ベトナム 27

 都市別のランキングを見ると、シンガポールが156件で第1位を獲得しています。第2位は韓国のソウルで121件、第3位は日本の東京で119件、第4位はタイのバンコクで118件、第5位は香港で102件です。第6位に台湾の台北が89件で入り、第7位はマレーシアのクアラルンプールで73件、第8位はオーストラリアのシドニーで62件、第9位は中国の上海で57件、そして第10位に日本の京都が53件でランクインしています。11位以下にも、北京、ブリスベン、釜山、バリ、マカオ、メルボルンといった強力な都市が控えています。

アジア太平洋地域の特徴とは

 アジア太平洋地域の特徴は、高度に発達した先進経済圏と、急速に成長する新興市場が共存し、互いに結びついている点にあります。東アジアにおける強力な研究および技術の生態系と、東南アジアでのデジタルおよび工学能力の拡大、そして南アジアの巨大な規模と変革が、同時に進行しています。人工知能や医療科学から、環境管理や農業システムに至るまで、幅広い分野の専門知識が交差する独自の環境が生まれています。政策立案者が国際会議の場に直接参加し、自国の優先課題とグローバルな知識を連動させる取り組みが進んでおり、長期的な経済連携に向けた基盤として国際会議を位置づけているのが、この地域の最大の強みです。

松江が過去最多の開催件数(14件)、人口は約19万人ながら大都市と並ぶ実績

全国の多くの地方都市で国際会議が開催される日本

国内順位(20位まで)

国内順位 都市名 開催件数 アジア
太平洋順位
世界順位
1 東京 119 3 10
2 京都 53 10 46
3 大阪 35 19 80
4 札幌 24 23 112
5 福岡 23 25 116
5 横浜 23 25 116
7 北九州 16 38 167
8 神戸 15 41 184
9 松江 14 44 198
10 仙台 11 57 239
11 奈良 10 58 254
12 金沢 9 63 280
12 つくば 9 63 280
14 名古屋 7 75 339
15 広島 6 79 369
16 鹿児島 5 85 404
16 熊本 5 85 404
16 恩納村 5 85 404
16 高松 5 85 404
20 千葉 4 94 473
20 4 94 473
20 岡山 4 94 473
20 宇治 4 94 473

 日本はアジア太平洋地域の国別ランキングで首位に立ち、世界全体でも第6位という高い位置にいます。この実績を強固に支えているのは、日本全国の多様な都市がそれぞれの専門性や地域資源を生かして、国際会議を誘致しているという事実です。一極集中ではなく、地方都市を含めた広範なネットワークが、日本の国際競争力の大きな源泉となっています。

 アジア太平洋地域の都市別ランキングにおいて、日本の都市がどのような位置にいるのかを詳細に見ると、その層の厚さがはっきりと理解できます。東京が119件、京都が53件、大阪が35件、札幌が24件、福岡が23件、横浜が23件、北九州が16件、神戸が15件、松江が14件、仙台が11件、奈良が10件、金沢が9件、つくばが9件、名古屋が7件、広島が6件、鹿児島が5件、熊本が5件、恩納村が5件、千葉が4件、柏が4件、岡山が4件、宇治が4件の国際会議を開催しました。

 続いて、福井、宜野湾、八王子、長崎、富山が、それぞれ3件の会議を開催し、106位に位置しています。2件の開催実績を持つ都市としては、淡路、御殿場、函館、軽井沢、松山、宮崎、盛岡、長野、那覇、沼津、静岡、立川、宇都宮、山形があり、これらは127位に並んでいます。

 1件の会議を開催した都市として、別府、福島、福山、岐阜、浜松、葉山、姫路、弘前、市川、伊勢志摩、石垣、鎌倉、勝浦、勝山、川崎、小金井、草津、水戸、宮古島、守山、長岡、新潟、野田、帯広、大分、沖縄、大津、吹田、土岐、豊橋、豊田、津、鶴岡、山梨などが180位に名を連ねています。北は北海道から南は沖縄まで、これほど数多くの都市が国際会議の開催地として選ばれている国は他に類を見ません。

※ICCA提供資料ではアジア太平洋地域全体で開催とし不明が34件あり、おそらくそのうちの3件が日本のものと考えられます。上記のすべての開催件数を合計しても488件となり、日本の合計件数491件との差分が3件あります。登録情報の不備や、広域開催・ハイブリッド形式の特殊な開催形態が理由ではないかと考えられます。

参考:日本の開催件数 都道府県別ランキング

順位 都道府県 開催件数 該当都市およびその内訳
1 東京都 125 東京(119)、八王子(3)、立川(2)、小金井(1)
2 京都府 57 京都(53)、宇治(4)
3 福岡県 39 福岡(23)、北九州(16)
4 大阪府 36 大阪(35)、吹田(1)
5 北海道 27 札幌(24)、函館(2)、帯広(1)
6 神奈川県 26 横浜(23)、川崎(1)、鎌倉(1)、葉山(1)
7 兵庫県 18 神戸(15)、淡路(2)、姫路(1)
8 島根県 14 松江(14)
9 沖縄県 13 恩納村(5)、宜野湾(3)、那覇(2)、沖縄(1)、石垣(1)、宮古島(1)
10 千葉県 12 千葉(4)、柏(4)、市川(1)、野田(1)、浦安(1)、勝浦(1)

 都道府県に数字を置き直すと、福岡県が2都市で39件で3位、沖縄県、千葉県も複数の都市の開催があり上位となりました。

参考:アジア太平洋地域 開催件数1件以上の都市の数 上位10国

順位 国・地域名 ランクイン都市数 開催件数(参考)
1 日本 77 491
2 中国 49 326
3 インド 31 158
4 韓国 26 286
5 オーストラリア 20 241
6 タイ 18 171
7 インドネシア 17 110
7 マレーシア 17 143
9 台湾 14 137
10 ニュージーランド 12 73

 日本の圧倒的な地方分散モデルの成功が読み取れます。日本は開催件数だけでなく開催都市数でも77都市と群を抜いており、全国の大学や研究機関が機能して地方都市が世界と直接つながっています。中国やインドでは多極的な成長が見られます。広大な国土と急速な経済発展を背景に、首都以外の拠点も次々と国際会議の舞台になっています。東南アジアの拠点の広がりも注目したいです。シンガポールが件数を集める一方で、タイやインドネシアなどは地方都市へ受け皿を拡大しています。同地域では会議の誘致が一部の大都市にとどまらず各国の多様な都市へ広がっていることがわかります。
※都市数の集計はMICE TIMES ONLINE編集部で行いました。

分野別に見る日本の強み。技術分野の世界ランキングは米国に次ぐ2位

 分野別に見ると、日本の強みは非常に明確です。東京、大阪、横浜の3都市が共同で技術系の協会会議の多くを受け入れており、技術分野の世界ランキングにおいて、日本はアメリカ合衆国に次ぐ第2位の実績を誇ります。科学分野においても世界第3位であり、医学分野でも世界第7位に入るなど、高度な知識集約型の分野で、日本は世界から高い評価を得ています。日本の各都市が持つ大学の研究機関や産業クラスターが正常に機能し、世界中の研究者や技術者を惹きつける磁力として働いていることを、データが示しています。


高度人材を惹きつける戦略的手段としてのMICE産業

 国際会議は、都市の国際化を推進し、世界中から高度な知識を持つ人材を獲得するための戦略的な手段です。国境を越えた高度な専門人材の移動は、ビザの取得障壁や地政学的な不安を背景に減少傾向にあり、最新のデータでは、熟練専門家の移動が前年比で8.5パーセント減少しました。これは、約22万人の専門人材が移動を取りやめたことを意味します。人材が容易に移動できない時代においては、会議を通じて世界を自国の都市に呼び寄せるという発想の転換が求められます。

 国際会議は、人材の成長過程において、四つの重要な段階を提供します。第一の段階は、学生や若手研究者が、自らの専門分野の最前線に直接触れる機会です。第二の段階で、彼らが世界中の同世代の仲間や指導者とつながり、永続的なネットワークを築きます。第三の段階では、確立された研究者や専門家が、開催都市の学術的あるいは産業的な環境を体験し、将来的な活動の拠点としてその都市を意識し始めます。第四の段階として、地元の優秀な人材が、国際会議を通じて世界的な知名度を獲得し、海外へ流出することなく地元にとどまりながら次の世代を育成するという、理想的な循環が生まれます。

ルワンダ キガリ

ルワンダの事例:首都キガリはインフラ投資でアフリカ第2位の開催都市に成長

 アフリカのルワンダの首都キガリの事例は、このプロセスを完璧に体現しています。ルワンダは2014年にICCAに加盟した当時、アフリカで13位の会議開催国にすぎず、会議関連の収益も2960万ドルにとどまっていました。しかし、コンベンションセンターなどのインフラに徹底的に投資し、国際社会とのつながりを強化しました。その結果、世界経済フォーラムやイギリス連邦首脳会議、そして国際サッカー連盟の会議など、数千人規模の大会を次々と成功させ、アフリカで第2位の開催都市へと成長を遂げました。さらに、2027年にはICCAの第66回世界会議を、アフリカ大陸で20年ぶりに開催することが決定しています。明確なビジョンを持って国際的な信頼を獲得し、知識や人材の交流拠点として自国を位置づけた見事な成果です。


最新データから見えてくる、これからのMICE

 本記事では、ICCAが発表した2025年版の国際会議統計をもとに、世界およびアジア太平洋地域の現状と、日本の位置づけを解説しました。日本の多様な地方都市が、全国規模で会議を誘致し、特に技術や科学の分野で世界を牽引していることは、非常に素晴らしい成果です。数え切れないほどの日本の都市が、世界と直接つながるプラットフォームとして機能しています。

 持続可能性や異常気象といった新たな課題への対応が求められる中で、国際会議は常にMICEの変化の最前線に立っています。都市のブランド価値を高め、長期的な発展を支える不可欠な要素として、国際会議の誘致戦略は今後もより重要性を増していくことでしょう。詳細な分析と戦略的な視点を持つことが、今後の大きな競争力となります。

(記事提供:MICE TIMES ONLINE)

 
 
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