【VOICE】新時代の高速バスがもたらす観光の可能性 WILLER EXPRESS 社長 平山幸司氏


平山氏

平山氏

若手の養成機関を創設し、原動力に

 観光需要が本格的に回復し日本各地が活気を取り戻す一方で、現在の旅行市場は宿泊費の高騰や都市部の客室不足、そして観光・交通業界全体の深刻な人手不足という大きな構造的課題に直面している。

 WILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス)は、これら業界の逆風を単なる課題と捉えるのではなく、高速バスが提供できる「新たな移動価値」へ転換していくための挑戦と位置づけ、取り組みを続けている。

■高まる宿泊代替需要

 近年、特に注目しているのが「ホテル代わり」としての高速バスの役割である。

 繁忙期の観光地におけるホテルの確保は極めて困難、かつ高額化している。そこで、夜間の移動時間をそのまま「質の高い睡眠・休息の時間」として有効活用していただく快適なシートやプランの提案を強化している。

 実際に、大型連休中の利用者アンケートでは「ホテルの代わりに夜行バスを選んだ」という声が確実に増えており、単なる安価な移動手段ではなく、時間を有効に使う「スマートな旅の選択肢」としての認知が広がっている。

 今後は予約システムとも連動し、変化する消費者のリアルなニーズをクイックに捉え、永続的にサービスへ反映できる体制を構築していく。

■人手不足への挑戦

 そして、観光・交通業界全体の最大の懸念である「乗務員不足」という本質的な課題に対し、当社は2024年から若手の養成機関として「WILLER LABO(ウィラーラボ)」を創設。その卒業生たちが着実に社内の中心になりつつある。

 今は大卒・高卒の新卒や、海外からの特定技能生へと広がっている。

 このように学歴や国籍の垣根を超え、多様なバックグラウンドを持つ若者たちが「ハイウェイパイロット」としての誇りを持って切磋琢磨する独自の教育体制こそが、人手不足を突破する当社の確固たる原動力となっている。

 急速に変化する観光市場において、持続可能な移動インフラを維持するためには、従来のやり方に捉われないイノベーションと人の育成が何よりも不可欠である。

 当社はこれからも、安全・サービスを支えるプロフェッショナルな人材を自社で育みながら、多様化するライフスタイルに寄り添った新しい移動の価値を創造し、日本の観光産業の発展に貢献していきたい。

平山氏

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