スロープカー
富士急グループの十国峠株式会社(静岡県函南町)は、十国峠の山麓と山頂のパノラマテラスをつなぐケーブルカーをリニューアルし、新たな交通手段「スロープカー」=写真=として今年夏から運行開始する。設置から約70年が経過したケーブルカーの老朽化・部品確保の問題から実施。駅舎から車両までの動線もバリアフリー関連法令などに準拠して再整備し、新たな体験価値の向上を図る。
新たに誕生するスロープカーは2両編成で、乗車定員は計80人(1両40人)。嘉穂製作所(福岡県飯塚市)が製作する跨座式斜面走行モノレールで、総工費には約8億円をかけた。最大勾配50度まで対応可能な自走式モーター駆動のラック&ピニオン方式を採用。勾配変化時も車内の床面を常に水平に保つ構造で、車椅子やベビーカー利用者も安心して利用できる。
車両デザインは、「箱根遊船 大茶会」「初島リゾートライン 金波銀波」などを手掛けた株式会社イチバンセンの川西康之氏が担当。十国峠の”十国”にちなんだ十角形の切子をイメージしたフォルムに、床から天井まで届くフルハイトの大型ガラスを全周に配備し、全方向に開かれた大窓で移動中も箱根・伊豆の絶景パノラマを体感できる。
スロープカーの運行開始となる今年は、富士急行の創業100周年に当たる。富士急行は、「これまで箱根・熱海・十国峠エリアにおいて、観光・交通インフラの整備や地域づくりに取り組んできた。今回の十国峠スロープカーの導入は、こうした取り組みをさらに発展させていくための象徴的な一歩と位置付けている」とコメント。「これからも地域に根ざした観光・交通事業の担い手として、お客さまと地域に信頼され続ける企業グループを目指していく」としている。

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