JR東日本首都圏本部は今年度から、鉄道設備メンテナンスの業務改革を実行する。その一環として、5月19~21日には京浜東北線で、6月6日、9月5日、11月7日には横須賀線で、それぞれ日中時間帯を活用した作業・工事を実施すると発表した(横須賀線は昼夜連続実施)。人手不足やグループ会社・パートナー会社・協力会社を含めた社員の就労意識の変化を踏まえ、日中時間帯を活用した作業体系の常態化をさらに推進し、効率的でサステナブルなメンテナンス体制の構築を目指す。
【京浜東北線】5月19~21日の日中にメンテナンス
京浜東北線では、田端〜田町駅間(南行・北行)において平日連続3日間の日中時間帯に作業間合いを確保し、メンテナンス作業・工事を実施する。実施日は5月19日(火)から21日(木)の3日間で、いずれの日もおおむね10時30分頃から15時30分頃までの時間帯に工事が行われる。
工事時間帯は快速運転を中止し、田端〜田町駅間については山手線の線路を使用して運転する。山手線・京浜東北・根岸線ともに通常の列車本数を維持する計画で、大宮〜大船駅間は終日にわたって通常本数での運転を継続する。なお、他の鉄道会社への振替輸送は行わない。
日中時間帯の工事に移行することで、夜間工事と比較して作業時間が約300分と、従来の約220分から大幅に拡大される。明るい環境での作業となるため安全性と効率性が向上するほか、施工効率の改善や機械化の推進による作業員の労力軽減も見込まれている。また、夜間工事における振動・騒音の削減といった沿線環境面での改善効果も期待されている。具体的な作業内容としては、レール交換や不要設備の撤去(ホームステップ)などが予定されている。
【横須賀線】昼夜連続の集中工事を年3回実施
横須賀線では、東京〜品川駅間のトンネル区間上下線においてトンネル補修工事などを集中的に実施するため、昼夜連続した作業時間を用いた集中工事を2026年度中に計3回実施する。第1回は2026年6月5日(金)終電後から7日(日)始発まで、第2回は9月4日(金)終電後から6日(日)始発まで、第3回は11月6日(金)終電後から8日(日)始発まで行われる。
各集中工事の土曜日(6月6日・9月5日・11月7日)は、東京〜品川駅間が終日運休となる。横須賀線は品川駅で久里浜方面へ折返し運転を行い、品川〜久里浜駅間は通常の運転本数を確保する。総武快速線は東京駅で千葉方面へ折返し運転を行い、東京〜品川駅間は運転を休止する。東京〜品川駅間の移動については、東海道線・山手線・京浜東北線の利用が案内されている。
成田エクスプレスについては、集中工事の土曜日に新宿〜東京駅間および大船〜東京駅間の運転を休止し、東京〜成田空港駅間での運転となる。また、前日の金曜日と翌日の日曜日にも一部列車で運休区間が生じる。金曜日については成田エクスプレス46号・50号・52号・54号の東京〜大船駅間が運転休止となるほか、東京〜新宿駅間でも一部列車が運転を休止する。日曜日については成田エクスプレス1号・3号・5号・7号の大船〜東京駅間が運転を休止する。なお、他の鉄道会社への振替輸送は行わない。
主な作業予定としては、スラブ打音点検、配管調査・修繕、立坑点検、レール交換、コンクリート壁剥落対策、枕木交換などが挙げられている。特にコンクリート壁剥落対策については、昼夜連続した作業時間を確保することでトンネル補修工事を集中的かつ効率的に進める狙いがある。枕木交換作業を例にとると、昼夜連続工事の実施により作業時間は1680分から340分へと大幅に短縮され、工事期間も190日から170日へと約1割削減される見込みだという。
効率的でサステナブルなメンテナンス体制の構築へ
今回の取り組みは、同社が2025年12月9日に発表した、安全安定輸送のさらなる向上とメンテナンス業務変革の両立の方針に基づき行われる。日中時間帯の工事は明るい環境での作業となるため、照明器具等の準備作業が不要となり、安全性と効率性が向上する。従来の夜間作業と比較してより多くの作業時間が確保できることから、機械化の推進や新工法の導入によるメンテナンス業務の変革が可能となる。こうした取り組みが、メンテナンス従事者の働き方改革にもつながると同社は説明している。

これまで夜間に行っていたレール交換などの作業を日中時間帯に集中して実施する




