【体験型観光が日本を変える440】藤澤安良 体験交流は4月病の特効薬だ 藤澤安良


 22日に発生した岩手県大槌町の山火事は消防隊や自衛隊など千人規模での消火活動にもかかわらず5日間も延焼が続いている。鎮火には降水が待たれる状況である。皮肉にも、九州から関東までは数日おきに雨が降っているが、東北には及んでいない。

 原因は捜査を待つとしても、山火事の多い米国では、人けのないところで発生していることが多く、自然発火が多いとのことである。しかし専門家の話によると、日本ではたばこやたき火の不始末など人為的な原因がほとんどだという。

 地震の原因除去は困難であり、もっぱら事後の避難や防災について報道される。山火事も同様に、人の命や経済に大きな影響を及ぼすが、その原因が報道されないままの場合が多い。原因を明らかにして、発生しない予防意識醸成に注力すべきである。

 新年度が始まった。企業や役所では入社・入庁式が相次いだ。希望に満ちあふれた新入社員の様子を捉えた取材映像がテレビから流れた。

 五月病という病があるようだが、気象変動で季節が前倒ししているからなのか、”4月病”がはやっている。新たな職場に着任しても、その職場になじめず、体調不良や適応障害なのか、メンタルが原因で休む人が少なくない。

 新しい環境というより、新しい人に慣れないのである。つまりは、人間関係構築能力不足である。

 学生時代は考え方や意見の違う人とは距離を保ち、意見の合う人間や気心が知れた人間を選別して付き合っている。しかし職場や社会は、むしろ気の合う人間の方が少ない。そんな中で、新人だから、未熟だからといって委縮したり、自分の意見を言わなかったりする。しかし、そんな状況に満足も納得もせず、ストレスを内包してしまう。

 メンタルが弱く、打たれ弱いのである。そして悪気がない職場の先輩や上司はその状況をくみ取れないでいる。

 教科学習では学べず、面接やグループディスカッションでは見抜けない人間力の育成は、机上学問ではなく、どれだけ多くの人と議論したか、交流したか、共通体験したかにかかっている。その特効薬が、体験交流プログラムによる社員職員研修に他ならない。その機会も、内定後研修、着任前研修、1年後研修、管理職研修など多岐にわたっている。それらの機会を通して、人間の考え方が多様であることを非とせず、個性と捉え、また理解することもできる。

 保身、面子、出世、賃金を生き方の視点とする人と、顧客や社会を視点の中心にする人とは、おのずと意見の相違が生まれる。しかし企業研修でマーケットセンタリングの視点を共有することで、社員同士の意思、問題意識、目標に向かう姿勢が一致して、その企業は生産性の高い組織となる。

 成果は意見交換や議論を重ねる頻度に比例して高まる。これらの行為は社員らの人間の幅を広げ、心の許容量を大きくすることになる。

 学校でもキャリア教育が重要視されてきている。体験交流プログラムが人間力と生産性の向上に大きく貢献する。

 
 
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