例年より10日程度早く北海道以外の地域で桜の満開を迎えた。入学式には校庭の桜が満開で、子供たちの門出に花を添えていたが、今は葉桜になる地域も少なくない。温暖化なのか、日本の歳時記まで変えてしまうことになる。花見のツアーも開花や満開の大きなずれにより、キャンセルが続出した。桜の早い開花は観光産業にも大きな影響を与えることになった。
京都府の小学6年生が行方不明になってから2週間が経過した。生命の危険もあり、一刻も早い発見が待たれている。それにしても、目撃証言や防犯ビデオでの手がかりが一切ないという前代未聞の状況下にあり、同地域では、事件の全容が明らかになるまでは、子どもの単独外出もままならない。関係者はもちろん、ニュース番組を見ている多くの国民もこの状況を、固唾(かたず)を飲んで見守る以外にない。
春休み最後の日曜日。羽田空港はさすがに子ども連れが多く、混雑というより、航空会社が繁盛している印象であった。機内は首都圏からの旅行客というより、地方から首都圏に来たと思われる客の帰路の様相が強い。お客は春休み、土産袋からの推察ではあるが、テーマパークや雷門に行ったと思われる。
半面、地方への観光客が少ない状況が見て取れる。イランと米国・イスラエルとの戦争が停戦終戦に向かう話はあるが、トランプ大統領の話は二転三転し、その真意を図りかねる状況が続いている。それもまた、中東は当然ながら、さまざまな地域への海外旅行の機運を削ぐ要因となっている。
タンカーが行き交うホルムズ海峡の封鎖は原油価格や社会経済に大きな影響を与えることになる。ANAもJALも欧州線で燃油サーチャージを従来の約2倍の5万円~5.5万円とすると発表した。国内便も来春をめどに燃油サーチャージの導入を検討している。航空運賃や他の交通機関の運賃、あるいはレンタカーのガソリン代など、これもまた観光産業の行方に立ちはだかるものとなっている。
さらには石油由来のプラスチック製品の入荷が滞る予想があったり、隣国では関連商品の買い占めまで起こり始めている。
天皇皇后両陛下と愛子さまが福島原発被災地を訪問された。被災地でカフェを営む女性の話を聞いて皇后陛下が「元気をもらった」と発言された。しかし、もっと元気をもらったのは、励まされたその女性に他ならない。
著名な観光地や桜の名所でなくても、地方には豊かな自然や農山村の田園風景、新緑の中に山桜が目立つ風景など、心が和む場所があり、その場所は価値が高いものだ。そんな世の中に知られていない資源素材が多数存在する。どこの観光地も元々著名であった訳ではない。それらを発見、発掘し、情報発信すれば、さまざまな地域がクローズアップされ、見直されることになる。オーバーツーリズムや一極集中を避けるためにも、そんな努力が必要だ。
観光は社会情勢に大きく左右される。しかし、それを乗り越えての、ゆるぎない観光の価値づくりが求められている。キーワードは「人を元気にできるのは人」である。




