【VOICE】観光業は疲弊している 草津スカイランドホテル女将 湯の華会会長 小林由美


小林氏

GoTo再開を 少額でも長く

 8月に入って、コロナウイルスの感染者数が1万人を超える日が続き、先の見えない焦燥感が広がっているように思います。人と人との接触を介して感染していくから、まず接触を控えなければいけない。県を跨いでの移動も、会食も飲み会も自粛。できるだけ人流を抑え、手洗いとマスクは必須というのが日常になりました。

 最初の緊急事態宣言の時は、全く未知のウイルスだったから、どうやって感染するのか分からない恐怖もあり、これを我慢すれば日常の生活に戻れると期待しておとなしく自粛していました。一時支援金や給付金も出たので、誰も文句を言いませんでした。

 けれどさすがに4回目ともなると、緊急事態慣れと、心身だけでなく経済的にもかなり疲弊してきており、補償もないのに営業できないという状況に、我慢も限界に達してきています。

 飲食店は時短要請である程度の補償もありますが、観光業には休業要請は出ていないので、休業しても何の補償もないのです。

 政府の景気浮揚策として行われたGo Toトラベルは、宿泊業にとっては恩恵だったし、共通クーポンは隣県でも使えるとあって、スーパーやデパートなどでも使われ、景気浮揚という意味では最高の施策だったと思いますが、それが感染の広がりに一役買ったと攻撃の的になってしまい、結局中断してしまったのは、本当に残念です。

 ただ、今思えば補填の額が大きすぎて、人々のお金や旅行に対する感覚を麻痺させたような気もするので、終息後再開されるのであれば、もう少し少額で良いから、長めに行っていただけるとありがたいと思います。全国の観光業は本当に疲弊していますので、ぜひ再開してください。

 今回、群馬県にも緊急事態宣言が出たことで、草津温泉も町の施設が時短営業になり、飲食店の酒類の提供が停止になるなど、影響はもう始まっていますが、おかげさまで住民の希望者全員のワクチン接種は、9月末には終了する予定との事。当館の社員も希望者全員2回目の接種を終えています。

 昨年から、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始と繁忙期が全部規制の対象になり、まともな営業ができていません。休館の間に畳やカーペットの張替など、日頃できなかったこともして、終息後にはお客さまに安心してお泊りいただけるよう対策は進めております。

 草津温泉はコロナが不活化するという実証結果も出ており、かねてより整備していた地蔵地区もきれいになりましたので、終息した暁にはコロナ疲れを癒しにお出かけいただければと思います。

小林氏

 
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