【道標 経営のヒント 279】あらためて地震対策 タグ広告プランナー 宮坂 登


 変わらずのコロナ騒ぎ。この号が出る頃には東京都でも「まん延防止等重点措置」が適用されているだろうが、都内の人出はいっこうに減ったように見えない。オフィス周辺も若者たちでにぎわっている。それだけではない。近隣の大手スーパーの入り口には消毒用アルコールが置かれているのに、スルーして入店する人が多くなっている気がする。気にも留めていない。書店などでも同様である。われ関せず、という意識も垣間見える。コロナ対策の徹底に神経質になっている店側の気持ちを考えてほしいとも思う。旅館・ホテルの方々の日々の労苦にも思いが及ぶ。

 傍らではこのところの地震の多さも気になっている。北から南まであらゆる場所で大なり小なり揺れていて気味が悪い。東北のある有名旅館では、コロナ禍のさなかに起こった今年2月の地震(東日本大震災の余震)によって自慢の湯屋が倒壊し、当面、復旧のメドがたたないという。弱り目にたたり目である。宿の方の嘆きを聞いて返す言葉もなかった。

 今、その地震対策ツールの仕事を請け負っているため、知識が深まれば深まるほど地震の多さが気になって仕方がない。地震は2パターン。プレート内部の断層がずれることによって起こる「内陸型地震」と、プレートがぶつかり合うところで発生する「海溝型地震」があるが、最近起こっている地震のほとんどが後者である。内陸型地震とは別名直下型地震とも呼ばれ、阪神大震災を思い出す。記憶に新しいところでは2016年の熊本地震がそれにあたる。海溝型地震は海側プレートと陸側プレートの境界がズレ動くことによって起こる地震で、東日本大震災の惨劇を思い出す。発生が危ぶまれている南海トラフ地震もこの範疇(はんちゅう)にある。

 建物における地震対策は大きく分けて「耐震」「免震」「減震」の三つの方法がある。旅館・ホテルの多くは近年その対策に追われたようだが、今、筆者が取り組んでいるのは「減震」効果を向上させる新製品の広報業務である。どんなものかというと、基礎と建物の間に挟み込む金属を使用したシステムで、建物に伝わる地震の力を大幅に減じることができる。実証実験の模様もネット上で確認できる。

 この製品を、例えば、倒壊してしまった湯屋の再建に使用できたらと思う。それだけでなく、例えば旅館・ホテルの新たな施設を造る際に採用されたら、きっと安心感も増す。自然災害には逆らえないとはいえ、何らかの対策を練ることは必須。耐震や免震の対策とも一線を画す技術であるだけに、どこかで紹介したいと考えている。

 
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