【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 584】事業再構築補助金の計画書12 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、通常枠の採択率100%だった弊社の事業計画作成ノウハウを生かして、採択率の高い計画書を作るコツを紹介しよう。紹介する項目の順番に沿って作成すれば完成するのでぜひチャレンジしてほしい。

 22、審査項目との対応表

 審査項目が事業計画書のどのページで言及されているか審査委員に分かりやすいように、審査項目との対応表を作成しよう。審査項目は、補助対象事業としての的確性、事業化点、再構築点、政策点、加点項目から構成されるが、事業計画書で記載する順序と同じとは限らない。対応表を添付することで審査委員に見落とされにくくなる。

 例えば、事業化点の審査項目として、「本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか」とあるが、事業計画書における記載箇所はバラバラだ。実施体制、収支計画、資金調達計画の項目でそれぞれ言及することになる。

 また、「地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引(けんいん)する事業となることが期待できるか」という審査項目に対しては、事業再構築の具体的内容、補助事業を行うことによる他社・既存事業との差別化、地域経済への貢献でそれぞれ言及することになる。

 対応表の作成は、事業計画書で記載すべき項目に漏れがないかチェックすることにも役立つ。事業計画書はテストの答案用紙のようなものだ。審査項目それぞれに配点があり、記載内容によって得点が決まる。各項目を合計した総合得点の高い順に補助金の採択者が決まる。

 事業計画書で言及されていない審査項目があれば、その項目はゼロ点となってしまい総合得点で不利になる。提出前に、事業計画書の内容が加点項目も含めて、全ての審査項目に対応しているかチェックすることをおすすめする。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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