【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 556】すぐ取り組める補助金獲得法2 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、初めて取り組む方でも分かりやすいように補助金申請のコツを紹介したい。事業再構築補助金や観光庁の補助金をはじめとして、旅館・ホテル、観光事業者が申し込めるものが相次いで公表されている。助成額が数百万円から数千万円と高額なものが多いので、ぜひ獲得し、アフターコロナにおける業績改善のきっかけとしたい。

 4、採点されることを意識して提案書の作成を行う

 補助金は全国から寄せられた不特定多数の提案書の中から優れたものを採択する。あらかじめ評価項目や配点を決めて、審査委員が採点することが多い。

 例えば、事業再構築補助金では、現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法、実施体制、スケジュール、資金調達計画、収支計画(付加価値増加を含む)が審査項目の例として挙げられている。

 他にも、事業化に向けた計画の妥当性、再構築の必要性、地域経済への貢献、イノベーションの促進などが審査項目となる可能性があると言及されている。

 このことから、前述の審査項目を参考に評価の視点や得点配分が決定され、提案書の評価が行われると想定される。複数の審査委員により採点を行い、得点の高い順に採択されることになるだろう。

 審査項目になりそうな論点は、もれなく提案書に盛り込むことが必要となる。審査項目に対応する論点が提案書で言及されていないと、その項目の点数は0点になってしまい不利となるので注意したい。

 審査委員が旅館・ホテル業界に詳しい人とは限らない。予備知識がなくても分かりやすく、斬新さが伝わりやすいよう表現やまとめ方を工夫したい。ビジネスフレームワークに関するウェブサイトや書籍をいくつか購入すれば、資料のまとめ方のヒントになるだろう。

 例えば、SWOT分析やPEST分析、3C、バリューチェーン、ファーブフォース、STP戦略、マーケティングの4Pなどを理解すれば提案書は格段に書きやすくなる。苦手意識を持たずに読んでみることをお勧めする。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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