【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 421】成果が上がるベスト施策4 青木康弘


 前回に引き続き、売り上げや利益、顧客満足度アップに大きな効果が得られたベスト施策を紹介しよう。

 7、売店でタイムセールを実施する

 売店は団体客が来ないと売り上げが期待できないというのは先入観にすぎない。個人客向けの旅館・ホテルでも売店売り上げを増やすための施策は数多くある。最も効果的なのが、タイムセールの実施である。

 「朝7時から10時まで限定で指定商品を5%オフ」「3千円以上のお買い上げで特別な商品プレゼント」というのが効果が出やすい。告知はチェックイン時にクーポンを配ったり、大浴場やエレベーター内にPOPを掲示したり、朝食終了時にホールスタッフから案内したり、売店脇でコーヒーを無料サービスするなどが効果的である。

 8、1人当たり1品当たり食材原価を算出する

 調理人に原価低減を指示すると食材のグレードを安易に落としてしまいがちだ。原価低減に成功しても、料理に対する口コミ評価や売り上げが下がってしまったら逆効果である。

 料理の質を下げずに原価削減を行いたいならば、1人当たり1品当たりの食材原価を把握すると良い。必要以上に原価をかけてしまっている料理メニューを突き止めることができる。例えば、年間6万人宿泊する旅館において、あるメニューの原価を50円削減できれば、年間300万円の原価削減につながる。

 9、朝食メニューのリニューアルを行う

 夕食評価が高い割に朝食評価が伸び悩んでいる場合には、朝食メニューのリニューアルを行うと良い。客室や大浴場、サービス、夕食の評価を上げるためには高額の投資や経費がかかるが、朝食は少しの努力で口コミ評価をアップさせることができる。

 ライブ感があり、お客さま自身で味を調整できる出汁茶漬けやおにぎり、サンドウィッチ、麺、玉子料理などが口コミアップに即効性が高い定番メニューである。朝食の専用会場がない場合でも、現状に妥協せず演出にこだわれば成果を出すことができるだろう。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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