【観光業界人インタビュー】除菌バスリザーブセンター(JBR)代表  松瀬裕二 氏に聞く


松瀬代表

除菌のプロ九観連が新組織

空間除菌行うバス会社44社参加

 安全安心なバス旅行を提案しようとバスの除菌、消臭に取り組む九州観光旅館連絡会(大阪市西区、九観連)空間除菌部。除菌水を噴霧器で霧状にして拡散する「空間除菌」は、九州のバス会社をはじめ、多くの運輸会社、旅館・ホテルが利用している。九観連は、全国のバス会社の呼び掛けもあり、9月1日にバス会社44社が参加する新組織「JBR」(除菌バスリザーブセンター)を設立。JBRの空間除菌に関する取り組みや設立経緯を松瀬裕二代表、坂田泰彦本部長に聞いた。

JBRグループ 松瀬裕二代表

JBRグループ 坂田泰彦本部長

 

 ――除菌事業を始めたきっかけは。

 松瀬 10年前の2010年にインフルエンザが大流行したが、その際に「次亜塩素酸水」を空間噴霧することでバス車内の除菌、消臭を行い、お客さまが安心して旅行が楽しめる「除菌バス」をブランド化した。バスの除菌、消臭に関する取り組みは九州から全国へと徐々に広がりを見せ、現在では約1300台のバスが除菌バスとして稼働するようになった。

 ――今回、空間除菌に関する新組織を立ち上げたが。

 坂田 今春から感染が拡大した新型コロナウイルスの流行をきっかけに、除菌バスは全国約3千台近くまで拡大した。また、全国で導入したバス会社からは「当会の全国ネットを生かし、除菌バスの宣伝、集客をしてほしい」という要請を受けていた。安全安心で快適なバス旅行はもちろん、観光を通じた地域活性化、観光立国の実現への使命感もあり、新組織「JBR」を設立した。

 ――最近、経済産業省の関係機関から、JBRも取り扱う次亜塩素酸水溶液に関して「噴霧については推奨しない」とコメントが出たが、どう捉えているか。

 松瀬 全く検証していない中での発表だった。今後も検証する予定もない中、非常に無責任とも思える発表だ。われわれは、10年間もの間バスの車中やオフィスの中で休まず噴霧してきた。当会の取り扱いだけでも、実に延べ人数250万人以上のお客さまに安全に安心して利用していただいていた。

 坂田 何の検証もしていない中で断じること自体に無責任さを感じる。国内でも権威とされている某教授は、自身の論文の中で噴霧をすることをエビデンスを提示した上で推奨し、「この報道がなかったら今回の大幅な再拡大はなかったのではないか。今回の感染拡大は、人災に近いものではないか」と言っている。われわれは以上のことを熟慮した上でJBRを立ち上げている。

 ――除菌バスに対するバス会社、乗客からの評価は。

 坂田 消臭効果やインフルエンザだけでなく、ノロウイルスに対する効果もある。常に安心しながらさわやかに利用できると評価されている。

 松瀬 バスの利用者から、「気分が悪くなった」「具合が悪くなった」という声は、これまでに1件も、1人もいない。

 ――地域との感染防止に対する連携を行っているとのことだが。

 松瀬 先日の熊本県他北九州を襲った令和2年豪雨災害後、人吉市に申し出て避難所で噴霧を行い感染を防ぐ活動を行っている。われわれの取り組みは、バス会社、旅行会社だけが対象でない。観光立国実現に向けて衛生管理のプロとして、さまざまな人、企業、地域をサポートしていく。

 ――政府が主導するGo Toトラベルキャンペーンが始まるなど、観光による移動が戻り始めたが。

 坂田 Go Toトラベルキャンペーンの成功のカギはウイルス対策にある。事業を安全安心に進めるには、旅行会社をはじめとした観光業界の皆さまにJBRの存在を知っていただき、JBRに参加するバスを利用いただくことであると確信している。ぜひJBRのバスを利用してほしい。

 ――最後に一言。

 松瀬 JBRの趣旨に賛同いただいた全国のバス会社に深く感謝している。共に前を向き、歩みを進めていくことを約束する。

【聞き手・長木利通】

JBRが熊本県人吉市の避難所に送った空間除菌装置

 

 
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