ザ・ゲートホテル横浜 by ヒューリック総支配人の花見雄大氏
ホテル・セールス・ネットワーク会(HSN会)は14日、第81回HSN会をザ・ゲートホテル横浜 by ヒューリックで開いた。同会顧問の石原健氏(ホスピタリティデザイン横浜 代表取締役)がインタビュー形式で同ホテル総支配人の花見雄大氏に同ホテルの戦略などを聞く勉強会を開いた。
2025年2月開業、ヒューリック系ホテルの横浜旗艦
ザ・ゲートホテル横浜 by ヒューリックは、神奈川県横浜市中区山下町に2025年2月26日に開業した。ヒューリックホテルマネジメント株式会社が運営し、客室数は111室。山下公園に面した立地で、「風薫るホテル」をコンセプトに掲げる。ロビーは12階に設け、宿泊者専用のルーフトップテラスから横浜港を一望できる。
石原氏は冒頭、「昔はホテルというと鉄道系が多かったが、最近は不動産系が本当に多い。時代の流れ」と業界動向を指摘。同ホテルの運営会社ヒューリックホテルマネジメントについて、花見氏は「ヒューリックという不動産会社が2012年にホテルマネジメントを始めた、100%子会社」と説明した。昨年1年間で新規開業が3店舗あり、2026年6月には大阪・心斎橋にも開業予定だという。

フロントからは山下公園が一望できる
「朝昼はにぎわい、夜は引き続き課題」
開業から約1年の運営状況について、花見氏は「(FBは)朝とお昼に関してはにぎわいが出てきた。夜に関しては引き続き課題が残る」と率直に語った。
夜間集客への対策として、12月ごろから土曜日にジャズ演奏イベントを導入。1階レストラン「Anchor Grill YOKOHAMA」でドリンクを楽しみながら音楽を聴けるスタイルとした。石原氏は「ローズホテルさんは金曜日に毎週ライブをやっている。地域でこうやっていくといい」と評価した。
隣接するホテルニューグランドについては、花見氏が「本当に歴史のあるホテルで、小道一本挟んだところに小さいホテルがある。いろいろ教えをいただきながら対決するようになっている」と語った。
インバウンド比率は約30%、台湾・欧米が中心
宿泊客の国籍構成について、花見氏は「1年間を通じてざっくり30%くらいがインバウンド」と明かした。国別では台湾が多く、欧米ではアメリカ、オーストラリアが上位。「10%以上に入ってくる」という。
花火大会時の客室単価(ADR)に関しては、「まだ認知がそこまでされていなかった部分もあり、大体花火大会の時期は普通に3万円くらい」と説明。チェーン全体でADRが最も高かった日には「7万5千円くらい」を記録したと述べた。花火大会期間中は、宿泊客が館内で楽しめるサービス提供を基本スタンスとしており、花火だけを目的とした販売は行っていないという。
開業初年度のGOPは予算達成、人件費は課題
GOP(営業総利益)と人件費管理に関して花見氏は「開業初年度、会社予算は達成している。ただ、そもそも予算の人件費率が21%くらいで最初に組まれており、それに対して何とかギリギリできたというところ」と述べた。
スタッフの人員配置については、ゲートホテルの都内3店舗(浅草・有楽町・両国)と横浜の間でマンパワーを毎月調整しているという。「店舗ごとに足りる・足りないを算出して、足りているところから移す。毎月毎月やっている状況」と説明。横浜については「都内3店舗から1時間から1時間半かかるため、ヘルプ体制がなかなか難しい」と現状の課題を明かした。
社員と派遣社員の比率についても言及があり、「横浜だけで言えば社員が約40名弱。それに加えて派遣スタッフが23名、アルバイトスタッフも同程度で合わせて約50名」と説明。コロナ以降、派遣社員の活用が進んでいるとした。
「素直であること」がポリシー
花見氏のキャリアについても詳しく紹介された。中学生のころに結婚式でホテルの仕事に魅力を感じたのがきっかけで、神田外語学院国際ホテル学科を経てシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルに入社。フレンチ・メインダイニング「ザ・サミット」のウェイターからキャプテンへと昇進し、7年間にわたり料飲部でキャリアを積んだ。
在職中にはサービス技能士、ソムリエ、ドイツワインケナー、チーズプロフェッショナル、日本酒ディプロマ、調理師の免許を取得。石原氏は「料飲のプロフェッショナル」と評した。
2012年4月にヒューリックホテルマネジメントに転職後は、浅草・有楽町・両国の各ゲートホテルの開業準備に携わり、2024年3月から横浜の開業準備室長に就任。40歳で総支配人に就いた。
チームワークやスタッフのモチベーション管理についてのポリシーを問われた花見氏は、「実行できていないことは多々あるが、やはり素直であることが一番」と語った。
石原氏から今後の目標を問われると、「横浜に移動させていただいた中で、一ホテルだけではできない連携ホテルの企画として展開できるようにしたい」と述べた。

石原氏(=左)と花見総支配人
【kankokeizai.com 編集長 江口英一】




