秋になり、秋祭りが各所で展開されるシーズンになってきた。秋祭りの一つの演目として神楽が舞われる地域も多いだろう。
そもそも神楽の起源は『古事記』や『日本書紀』に書かれている「岩戸隠れの段」にさかのぼるとされている。太陽の女神である天照大神が弟の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴さに怒り、天岩戸に隠れ、地上が闇に包まれた。困った八百万神たちが話し合いの結果、天岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)に乱舞させた。これがあまりに面白かったので外の神たちが大騒ぎをし、不思議に思った天照大神が岩戸をそっと開け、様子を見ようとしたところ、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)が岩戸をこじ開け、天照大神を外に連れ出した物語。
この岩戸の前で天鈿女命が舞った踊りが神楽の原点とされている。現在でも民俗芸能として全国各地で受け継がれており、その演じ方はさまざまである。大きく分けると、仮面をつけずに幣や鈴、刀などを持って舞う採物神楽、道具を持って曲芸的に舞う舞、仮面をつけて神話や伝説などの物語を演じる舞などがあるとされる。
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