【岐路 バスと観光新たな関係 90】高速バスのバスターミナル3 成定竜一


 バスターミナルはいくつかの観点から分類することができる。

 まず設置運営主体による分類である。ほとんどが、公共(多くは自治体。「バスタ新宿」の場合は国。他に、地元の主要なバス事業者らと自治体などが共同出資して設立した運営会社など)が設置するもの、またはバス事業者自身が設置するものである。数は少ないが、バス事業者以外の民間企業が設置するものもある。公共セクターが設置し、日々の運営業務は民間に委託する例もある。

 次に、施設形態による分類である。駅前広場などを活用した箇所では、屋外に発着バースが並ぶ。雨を防ぐ上屋(うわや)や発券窓口が乗り場に設置される程度である。一方、立派なビルの低層部に発着バースや窓口、待合室などが設置される屋内型も多い。

 余談だが、バスタ新宿は鉄道(山手線などJR各線)をまたぐ人工地盤上に建設されたビルの4階部分にあるが、ここはビルの屋上にあたり、車路部分は天井がなく屋外に近い。新宿の高層ビルに囲まれながらも意外と空の広さを感じることができる。

 また、立地による分類も可能である。

 大都市では、バスタ新宿をはじめ、大阪梅田の「阪急三番街高速バスターミナル」、名古屋の「名鉄バスセンター」など、鉄道のターミナル駅に併設される例が多い。

 地方都市では、鉄道駅から離れた、旧来の繁華街や官庁街に設置される例も多い。「広島バスセンター」「熊本交通センター」などが該当する。これらの都市では、バスターミナルは都市の「核」として市民から認知されている。

 もっとも、最近ではJR各社が駅周辺の遊休地を上手に開発しているので、街の重心は少しずつ鉄道駅へと移りつつある。

 観光地の中心部に立地する「森の駅旭日丘(山中湖)」「草津温泉バスターミナル」などのケースも多い。テーマパークやアウトレットモールなどが、自社施設内にバスターミナルを設置する例もある。

(高速バスマーケティング研究所代表)

 
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