【山崎まゆみの「ちょっと よろしいですか」46】感染防止対策の「安全」とホテル  ならではの「リラックス」を販売する  温泉エッセイスト 山崎まゆみ


 これから夏休みに入り、多くのお客さんをお迎えする観光地や宿泊施設の皆さんは、十分な感染防止と3密回避対策をお考えでしょう。

 首都圏からのお客さんも戻りつつある沖縄のホテルを7月上旬に取材してきましたので、当時の状況と宿泊施設のコロナ対策をご紹介します。

 県内のお客さまに向けた「おきなわ彩発見」キャンペーンを実施すると、たちまち完売し、訪問した時には第2弾のキャンペーン中でした。沖縄県の人はこれまで県内で宿泊することがなかったそうで、これを機に地元のお客さんが増えているとのこと。この事象、沖縄以外の各地でも同じような声を聞きますね。

 沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハは、緊急事態宣言中も休館はせずに営業を継続。「236室に宴会場を備える大型ホテルですから、仕入れ業者の仕事を確保するためと、また少なくとも宿泊を利用するお客さまがいる限りは営業しようという決断でした」(総支配人・多良間剛さん)。

 コロナ対策として力を入れているのは宴会場。「幹事さんからの問い合わせが多いです。例えば沖縄の結婚式は300人以上も集まる宴会です。現在は一つのテーブルに12席を用意できるところ、6席に減らしています」(多良間さん)。

 こうした宴会対策の説明会を5月末から6月にかけて計4回開催すると、大々的な告知をせずとも、200人もの参加者が集まったそうです。

 緊急事態宣言中に休館していたのは、恩納村にあるルネッサンスリゾートオキナワ。実は、昨年11月から3月まで施設のリニューアルで休館。4月から営業再開したばかりでしたが、4月26日~5月末まで休館したそうです。

 再開後は、玄関に入る前の通路でスタッフがお客さま一人一人の検温。そしてアルコールや次亜塩素酸水で徹底した除菌です。

 「客室の清掃は、テレビのリモコンやドアノブ、エアコンのスイッチなど、誰もが触る場所を消毒してから通常の掃除に入りますから、これまでは1時間だった掃除が、いまは1時間半かかります」(セールスマーケティング・吉門勝二さん)。

 またリニューアルした1階レストランのビュッフェは地元でも大人気です。

 「6月1日からビュッフェを再開しましたが、入り口で手袋を配布し、マスク着用を義務付けています。

 コロナ対策についてはお客さまのアンケートでは高評価をいただいています。また『スタッフの皆さんのフレンドリーさにホッとしました』と言っていただけることが多いです。コロナ禍で窮屈さを抱えていたのだろうと思います」(企画広報・越田淳子さん)。

 子供たちもストレスを抱えているだろうと、存分に体を動かす「がんじゅう(元気)プロジェクト」を販売すると大好評! 海辺でストレッチをした後、沖に出てカニ網引き、ホテル敷地内で宝探しをするなど屋外で遊べる企画です。

 また「1日1組限定 ビーチメッセージ」プランを利用すると、客室のバルコニーから白い浜にお客さんがリクエストしたメッセージを見ることができます。

 「ご主人から奥さまへ『元気な赤ちゃんを産んでね』というメッセージが最初でした。奥さまがとても喜んでくださいました。お母さまから贈られた『○○ちゃん、卒業、入学おめでとう』というお祝いの言葉を見つけた時の娘さんの驚きは忘れられません。この先、どのような旅の形になるか分かりませんが、自然の中でのアクティビティーとフレンドリーなホスピタリティーという在り方は以前と変わらず続けていきます」(吉門さん)。

 沖縄のリゾ―トホテルでは、安心できるコロナ対策と、お客さんには心身ともに開放してもらいたい、そんな一見相反する要素の両立を上手にやっていました。

(温泉エッセイスト)

 
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