【体験型観光が日本を変える441】藤澤安良 教育も観光も大きく変わるべきだ


 ゴールデンウイーク(GW)が終わった。昨年の利用を上回った鉄道や航空会社が多く、インバウンド増加の効果が高いと思われる。

 一方、国内では、GWに旅行に出掛けるかの問いに76.6%が出掛けないと回答していた。宿泊施設や観光関連事業の役員やアドバイザーをしているが、これらの業績は芳しくなく、残念な結果に終わった。物価高・円安の影響が大きく、国民の暮らしは金銭的にも精神的にも余裕がなくなってきている。観光は衣食住より優先されることはなく、厳しい環境にある。

 ホルムズ海峡が不安定な状況下では、原油価格の高騰は避けられない。公共料金やプラスチック関連商品の価格が上がり、政府の補助金で下げられているガソリン代も予算が底をつく話がある。備蓄放出で補うといっても、米騒動と似ていて根本的な解決ではないことに国民は気づいている。国民生活に影響が及び、旅行マインドをさらに下げることが心配される。

 新型コロナの時期、豪華客船での集団感染が大問題となったことを想記させる、死亡率50%ともいわれるハンタウイルスの感染者が死亡したとのニュースがあった。人からの感染はないとの、人々の心配を打ち消す情報が本当であってほしい。

 もう一つ、旅行マインドに影響しているのは、クマの出没である。東北では春の冬眠明けになって、襲われてけがや死亡した人もおられる。教育旅行の受け入れ地では、学校から「クマはいませんか」との問い合わせが相次ぐ。

 5月から燃油サーチャージが値上がりし、GW中に政府が何度か介入したのではといわれる外国為替市場も1ドル160円は回避したが、156円程度の円安基調で推移している。ころころ変わるトランプ大統領の言動からは先行きの見通しが立たないのは万民の知るところだ。

 米国の言動に左右されるエネルギー政策を改め、石油や天然ガスなどの化石燃料から、再生可能な自然エネルギーに転換する機会だといえる。人々が痛めつけられている自然災害や災害級の出来事が起こり続けていることからも、政府は省エネにも温暖化対策にもさらに協力するよう国民に発信し、理解を求めるべきである。

 経済が萎縮すると考えるのではなく、地球環境や日本の未来のために極めて重要だと考えることだ。賢い日本人なら、その条件の中で新たな経済活動を見つけることになるはずだ。

 観光は名所旧跡、社寺仏閣巡りから、自然や人との関わりに変化している。さらに防災、インフラの現場など、社会問題をテーマとした、見識を高め、知的欲求を充たす旅が求められている。農山漁村の食料や自然エネルギーの生産現場で今、何が起きているのか、何が課題なのかを知ることは、今を生きる人間として必要で重要なことである。

 教育旅行は「楽しい」「思い出に残る」などのフレーズが好まれ、テーマパークが安易にコースに入っている。しかし生徒が求めているものではなく、今の社会で育まれていない課題を解決する教育を追求してほしい。国家も教育も観光産業も大きく変わらなければならない。

 
 
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