【体験型観光が日本を変える 88】課題解決の行動を 体験教育企画社長 藤澤安良


 今年の夏は、どこにいても35度を上回るような高温に悩まされた。梅雨もなく夏は涼しいはずの北海道では梅雨のように雨が降り、30度を超える日や地域が続いた。そして、甚大な被害をもたらした西日本豪雨被災に続いて、山形県や石川県でも豪雨により河川の氾濫が相次ぎ多くの方が被災している。台風の襲来も平年を上回り勢力も大型化、強い台風も相次いで上陸している。異常気象は日本のみならず地球規模で起こっている。素人が考えても温暖が原因だろうと推論がつく。

 専門家は因果関係ははっきりしないと逃げずに、はっきりさせてこそ専門家と言える。今、地球温暖化防止のために何ができるのか、真剣に考え行動に移さなければならない。つまりは、学校教育でも環境学習の重要性が増している。その学校では新学期が始まった。例年、児童生徒の自殺が多い時期である。自分の好みで選べる人間関係の夏休みと、多くの人間と接する学校とでは大きな違いがある。そこにいじめが存在するならば、誰でもいやになる。人間関係が不得意な者にとっては大きな負荷となり、自殺に発展する可能性が高まる。

 アジア大会では水泳に次いで、陸上の男子4×100メートルリレーの20年ぶり優勝を圧勝で成し遂げた。柔道の金メダルラッシュをはじめ、あらゆる競技においての活躍により金メダル75個と獲得数が前回を大きく上回り史上2番目の功績であった。東京オリンピックに向けての強化の成果が出ているのか明るい材料となった。一方で、体操競技を所管する日本体操協会でパワハラがあったとして、18歳の女子選手が記者会見を開き、その窮状を訴えた。先頃のアメリカンフットボールやボクシングの時に極似している。いずれも選手ファーストではなく権力が集中する所に問題が起こっている。それは、権力からの組織の私物化や弱者へのいじめではないか。東京オリンピックまでに態勢整備をして、スッキリした形で迎えたい。

 人間は欲を持ち見栄を張り、他人から見られる評価を気にし、自分の評価を高めるために、自分より弱者をつくろうとする。その手段で自分が努力して優位に立つ者もあれば、他人を貶めて立場を得たいと思う者もいる。スポーツで好成績を収めようと努力する選手は前者で、薬物使用したり、他人の物に異物を混入させたり、道具を盗んだり、活動を制限したり、圧力をかけたり、アンフェアなやり方があまりにも多い。スポーツマンシップはどこへ行ったのか。組織というチームがそれぞれの欲得で動けば機能せず前述のような問題が起こり続ける。オリンピックを前に日本に突き付けられた課題である。

 学校教育での生徒も教員も、スポーツもでの選手も監督も、大人の世界の誰もが自己確立や人間関係構築能力向上やチームビルディングのための、教育効果の高い「体験交流プログラム」による教育研修機会が求められている。課題解決行動がないところに、新しい未来は開けない。

 
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