【令和時代における交通インフラの人材採用39】コロナによるバス業界の採用事情 女性バス運転手協会代表理事 中嶋美恵


 6月19日、新型コロナウイルスの感染拡大リスクを下げるために出されていた都道府県をまたぐ移動自粛要請が全面解除されました。サービス業はもとより、観光業界、運輸業界にとっては待ちに待った解禁です。そんな中、ある地方に足を運ぶ機会があり、その土地を訪問するのであれば、何社か得意先にもごあいさつにお伺いしようということになりました。そこで当社社員が十数社へアポイントをご依頼したところ、「会社の規定で東京への出張や東京からの訪問者に面会することは禁止されているので…」との回答。見事に1社もアポイントをいただくことができませんでした。

 バス業界の採用も、もちろん新型コロナウイルスの影響を受けています。やはり一番影響が大きいのは貸し切り専業のバス事業者で、特に観光バス、ツアーバスのみを運行している会社です。これらの会社は都心部や地方に関わらず、また大手や中小零細にも関わらず厳しい現状で、3月以降、受注ゼロ、バスが1台も動かせていないという会社も珍しくありません。当然、既存のバス運転手への保証や雇用維持で精一杯ですから、新たにバス運転手を採用する会社は皆無という現状です。

 一方、高速バスや送迎バスは徐々に便数が増え、止まっていた路線が動き出したところです。「休ませていた運転手をやっと稼働させることができます!」という明るいお声も聞こえてきており、いったんストップしていた採用を再開させるバス事業者が増えてきています。

 そして路線バスですが、乗降客が減っても、路線変更や減便があっても自粛期間中も変わらず動いていました。バス運転手採用も予算を落とすことはあっても、これまでと変わらず続行している会社がほとんどでした。というのも、新型コロナウイルスの感染が拡大する前から全国的慢性的人手不足は変わっておらず、今現在も運転手候補を募集しなければ運行が回らないバス会社がたくさん存在するからです。

 バス業界の採用の現状はビフォアコロナの7割ですから、9割減、半減という業界に比べると影響が少ないかのように感じます。しかし、以前からの苦しい状況が続いていることは変わらず、今後も業界内の高齢化、免許所持者の減少等を鑑みると、これからも業界全体で積極的採用を行い、人員不足に立ち向かっていくことが求められます。

 (リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)

 
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