【交通トレンド分析3】那覇空港からの「ゆいレール」3両化は必要 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 那覇空港に乗り入れている沖縄都市モノレール「ゆいレール」。2両編成で那覇空港駅と首里駅を結んでおり、現在、「首里駅」から「てだこ浦西駅」までの4.1キロの延伸工事が行われており、各種報道によると今年の秋に開業する予定で試運転も開始している。

 県庁前、旭橋、美栄橋、牧志など国際通りに近いホテルも多く集まるエリアに駅があり、また免税店「Tギャラリア沖縄」の最寄りである「おもろまち駅」があるなど、近年は日本人の観光客以上に外国人観光客の利用が増えており、終日混み合っている状況だ。以前に比べると本数自体は増えているが、それでも慢性的な混雑の解消は難しい状況となっている。

 その理由の一つは車両が小さいことだ。1両あたりに乗車できる人数が限られていることに加えてキャリーバッグやスーツケースを持つ外国人観光客が利用するたびに増えているように筆者も感じている。日本人旅行者もキャリーバッグを持って乗車しているが外国人観光客と比べるとサイズは小さい。結果的に車両を占領することもスペースがより足りない要因になってしまう状況にある。

 加えて3月には国際線ターミナルと国内線ターミナルが連結されたことで、以前に比べて国際線利用者が「ゆいレール」に従来よりも至近距離で国際線ターミナルから移動できるようになった。利便性が増したことでさらに外国人利用者が増えそうだ。

 加えて2020年には滑走路が2本になる計画で工事が進められており、完成時には国際線を中心にさらなる増便が予定され、那覇空港全体の利用者がより増えることは明確であり、さらなる「ゆいレール」の増発が必要であることはもちろん、現在の2両編成から3両編成へ向けた動きが出てきているのは自然の流れといっていいだろう。

 日本人旅行者の多くはレンタカーで移動するが、外国人観光客でレンタカーを借りる人は増加傾向にあるものの自動車免許の問題もあって一定数に限られており、那覇市内のみの滞在であれば「ゆいレール」が最も便利な交通手段である。

 延伸区間であるてだこ浦西駅は沖縄自動車道にも近いことから、中部のリゾートや名護や人気の観光地である「美ら海水族館」など沖縄本島北部へのアクセスにおいて、高速バスが発着することでアクセスがこれまで以上に便利になる。

 そういった意味でも混雑が予想されることから3両編成は不可欠であり、費用負担などの問題もあるが早急に考える必要があり、那覇での観光をスムーズにするうえでも早期の3両編成化に期待したい。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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