【交通トレンド分析19】大阪出張から東京への帰りに重宝する最終のぞみ64号 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 筆者は東京に在住しているが、大阪への取材や出張、旅行においては飛行機を利用する機会が多いが、確実に東海道新幹線「のぞみ」を利用するのが、大阪市内で夜に会食があり、その日のうちに東京に戻らなければならないときだ。

 飛行機の場合は、ANA、JAL共に最終便が伊丹空港20時20分発で、19時過ぎには大阪市内を出なければならない。24時間空港である関西空港では、昔はJALの22時10分発の最終便があって重宝していたが、現在の最終便はANAの21時35分発で、遅くても20時半には南海電鉄のなんば駅からの電車に乗る必要があり、大阪で夕食の予定が入っていると少し厳しい。

 そんな時には、東海道新幹線の東京行き最終列車となる「のぞみ64号」が非常に重宝する。新大阪駅の発車が21時23分であることから、梅田周辺で食事をしている場合は大阪駅21時過ぎのJR京都線に乗車することで間に合うほか、ミナミ(難波周辺)で食事をしている場合でも20時50分過ぎの乗車で問題なく間に合う。20時半まで食事ができるのであれば、18時スタートでもゆっくり食事ができることになる。

 のぞみ64号は、最終列車ということで途中駅での「こだま」や「ひかり」の追い抜きも限られており、日中時間帯よりもスピードが速い最高時速285キロで運転され、新横浜、品川、東京の各駅到着が10分以上早い。新大阪を21時23分に発車し、新横浜に23時27分、品川に23時38分、東京に23時45分に到着する。東京までの所要時間は2時間22分という短さだ。

 のぞみ64号は京都(21時37分発)、名古屋(22時12分発)からの乗車も可能であるが、注意が必要なのは平日を中心に指定席が満席になってしまうことも多く、早めに予約をしておくといいだろう。グリーン車は繁忙期でなければ直前でもほぼ大丈夫だ。ベストな活用法は、のぞみ64号の指定席を事前に予約しておき、もし予定が早く終わった場合は新大阪駅で早い新幹線に変更する方法もある。実際に前倒しする利用者も多く、発車直前になると満席だった新幹線の指定席が確保できる場合も多い。

 JR東海の「エクスプレス予約」を活用すれば駅に行かなくても空席状況を確認できるので便利だ。

 将来的には神戸空港の運用時間を現在の22時から23時までに延長する動きがあり、これが実現することで神戸空港22時台の羽田行きが開設される可能性がある。そうなれば20時半過ぎに大阪駅を出ても間に合うので飛行機派の人にはうれしいだろう。だが当分はのぞみ64号を使う日々が続くだろう。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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