【口福のおすそわけ597】お弁当の商品開発 竹内美樹


 お弁当の製造販売会社の役員を務めている筆者、実は、このところ商品開発に追われている。といっても、通常のデパ地下や駅などで販売する商品ではなく、製造所直売弁当だ。

 以前から、製造所直結の建物で直売はしていたものの、デパ地下と同じお弁当も売っているので、あまり直売感は出していなかった。透明プラスチックフタのランチ弁当でも、それなりにキレイに見えるように気を遣い、屋号「神田明神下みやび」にふさわしいお弁当をと考えていた。

 だが、その考えが一変するキッカケがあった。親しくさせていただいている飲食関係の社長Y氏から、手厳しいひと言が。「みやびさんのお弁当って、品が良くておいしいけれど、いつどんな機会に食べたら良いのか? 想像がつかない」

 確かに、おっしゃる通りだ。例えば東京駅で購入され、新幹線の中で召し上がるとか、三越銀座店や歌舞伎座で購入され、歌舞伎の幕間に召し上がるとか、あるいはご注文で、会議や学会のお食事として召し上がるという需要にお応えしてきた。どれも特別な機会だ。普段日常的に自分で買って食べるか?と胸に手を当ててみると、うぅ~ん、とうなってしまった。

 キレイな箱を作って、フタを開けた瞬間に、中身にも「わぁ~!」と言っていただけるようなお弁当を目指していた。イマドキ、スーパーに行けば、300円台でそれなりのお弁当が買えてしまう。先日、某スーパーで見かけたカツ丼は、何と税別277円! 衝撃的だ。そういった商品と闘うのではなく、すみ分けることが大切で、高級路線を行くしかないと思い込んでいた。

 でも、同店は直売所。一度思い切った方向にかじを切ってみても良いではないか? 例えば、具だくさんでフタが閉まらないお弁当、ビックリするほど大きなお魚が入ったお弁当などなど。

 そこで、大量調理専門の製造所でなく、本部テストキッチンで、筆者も試作することに。まず取り組んでみたのは、骨付き鶏モモ肉。香川県名物「骨付鳥」が大好物で自分でもよく作るが、サスガに鶏油(チーユ)タップリでお弁当には難しいから、今回は唐揚げで。しょうゆベースの、おろしニンニク&ショウガ味と、肉を軟らかくする効果があるというマヨネーズで漬け込んだ2種を試作。キユーピー株式会社からも、マヨネーズに漬け込むことで鶏肉が軟らかくなるという研究結果が発表されており(キユーピーアヲハタニュースNo(46)58)、期待大。結果、確かに肉は軟らかくなったものの、やはりパンチの効いたニンニクしょうゆに軍配が。それをのり弁のトッピングとしてドドンと載せ、味変のニンニクマヨや彩りのブロッコリー、ミニトマト、自慢の玉子焼きなどを入れたら、かなりインパクト大。

 社長考案のミックスフライ弁当や、総料理長の海鮮丼系、筆者の隠し玉も他にもあり、楽しいお弁当が目白押し♪ 両国方面へお越しの際はぜひ! それにしても、試食続きで体重計に乗るのがコワイ…。

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
 
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