【交通トレンド分析130】私鉄の有料特急チケットレスサービスは便利 鳥海高太朗


 2022年、私の最初の旅行先として選んだのは伊勢神宮。今回は日帰りで訪れることになり、特に予定は考えずに元旦の朝に起床してから出発時間を決めた。東京から名古屋までの新幹線、名古屋から伊勢神宮の最寄り駅となる伊勢市駅までの近鉄特急も当日予約で行くことにした。

 東海道新幹線は、普段から利用しているネット予約サービス「エクスプレス予約」を使った。名古屋駅から伊勢市駅までの近鉄特急の時間を調べようと、近鉄電車のホームページを見たところ、空席状況の確認だけでなく会員登録をしなくても簡単に予約、そしてクレジットカードでの決済をすることが可能であることが分かった。そのおかげで新幹線の時間を決めた段階で近鉄特急も簡単に予約できた。そして何よりも楽だったのがチケットレスであり、駅の窓口での特急券の引き換えの必要もなく、予約後に表示される画面のスクリーンショットもしくはメールで送られてきた予約確認画面で自分の乗る列車、車両、座席番号を簡単に確認できるので、紙に印刷する必要もなかった。また、乗車券も「Suica」「PASMO」などのICカード乗車券でそのまま利用でき、何一つ不自由なく近鉄特急に乗車できた。コロナ禍で接触も少ないだけでなく、単純に利便性が大きく向上したことを感じた。帰りは宇治山田駅から名古屋駅へ同じく近鉄特急に乗車したが、こちらも伊勢神宮の外宮、内宮の参拝が終わってから、おかげ横丁を散策しながらスマートフォンから同様に予約して、往路同様にスムーズに乗車できた。

 特急券のネット予約サービスは、事前に会員登録をしておくことでスムーズに予約することができるが、年に1回もしくは数年に1回程度しか利用しないケースの際には会員登録は面倒であり、何よりも簡単に予約できるのは利用者としてはとてもありがたい。私自身は、JR東海の「エクスプレス予約」やJR東日本の「えきねっと」には会員登録をしているが、私鉄に関しては特にしていない。近鉄特急同様に、京成上野駅と成田空港駅を結ぶ京成「スカイライナー」をはじめ、小田急「ロマンスカー」、東武「スペーシア」なども、会員登録なしで簡単に特急券予約ができるようになっている。ただ、私鉄によっては会員登録をしないとネット予約できないケースもあるので注意が必要である。チケットレスサービスであれば、新規予約だけでなく予約変更も駅に行かなくても簡単にできるのも便利だ。

 今年はより特急券のチケットレス化が進むことになるだろう。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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