【テツ旅、バス旅 56】ポケモントレイン 鎌倉 淳


 人気アニメ「ポケットモンスター」の主人公が、4月から交代します。25年も続いたサトシとピカチュウの物語がまもなくピリオドを打つと報じられ、大きな話題となりました。

 気になるのは、JR東日本が大船渡線で運転している「ポケモントレイン気仙沼号」です。東日本大震災復興支援事業の一環として2012年に運行を開始。2017年にリニューアルして、ピカチュウを全面に打ち出したデザインになっています。主人公交代で、列車のデザインも変更されるのでしょうか。

 何も決まったことはありませんが、もしデザイン変更が発表されたら、指定席券の入手が困難になるのは間違いありません。そう考え、息子を連れて乗ってきました。

 起点は一ノ関駅。車両はキハ100形という気動車の2両編成で、ピカチュウをイメージした黄色い外観です。車内には、ピカチュウの頭のシルエット、尻尾、背中の模様、足跡などが盛りだくさんに描かれています。2両のうち1両はプレイルーム車両で、ピカチュウのぬいぐるみや遊具が置かれています。1列車まるごと、ポケモンとピカチュウの世界です。

 途中駅にスタンプが置いてあり、停車時間中に、子どもたちが押して回ります。各駅の駅名標もピカチュウ仕様で、記念撮影スポットも豊富。まるで路線全体が「ピカチュウ線」です。乗車時間は2時間ほどですが、プレイルームで遊び、スタンプを押して、写真を撮っていると、あっという間に終点・気仙沼に着いてしまいました。

 列車には4人のスタッフが乗務しています。定員50人弱の列車で、指定席券は530円。採算が気になりますが、筆者のように東京から新幹線で乗りに来る客も多いでしょうから、トータルでは合うのでしょう。

 気仙沼での折り返し時間は1時間40分ほどあり、港まで往復し、海鮮を楽しみました。残念だったのは、気仙沼駅から市内への2次交通が乏しいことです。バスはありますが列車に接続しておらず、レンタカーも駅前にはありません。レンタサイクルはありますが、見知らぬ街で子どもと自転車に乗るのは怖く、結局、移動手段はタクシーしかありませんでした。

 気仙沼市内では、ポケモントレインとタイアップしたスタンプラリーも行われていて、足となる公共交通機関が使えればもっと楽しめそうなのですが、惜しまれるところです。

 (旅行総合研究所タビリス代表) 

 
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