JTB執行役員 Web販売事業部長 池口篤志氏に聞く

  • 2022年6月9日

JTB執行役員 Web販売事業部長 池口篤志氏

Web接点を各チャネルへ

着地型商品の販売にも貢献

 コロナ禍で人の動きが大きく制限され、Web化やデジタル化の流れがさらに加速している。JTBの旅行販売のカギを握るWeb販売について執行役員Web販売事業部長の池口篤志氏に聞いた。

 ――21年度を振り返ると。

 「Webの取扱実績は20年度とほぼ変わらず、19年度比で国内・海外旅行計4割ほどだった。主に取り組んだのは5点。1点目は、ダイナミック・パッケージ(DP)の販売強化だ。料金や在庫などをマーケットに合わせて可変できるようにDP化を進め、Webサイトで拡充を行った。2点目は、今まで店舗とJTBホームページ(HP)では旅行商品の訴求方が異なっていたが、店舗にあるパンフレットの素材などをJTBHPへ掲載、豊富なコンテンツ展開につなげる取り組みを開始した。3点目は、全社的な観点になるが、『JTBリモート・コンシェルジュ』というオンライン相談専門部署を21年度に新設し、JTBHPのトップページで案内を大きく掲載している。4点目は、お客さまの利便性向上のためJTBアプリの機能を整備したこと。5点目は、旅ホ連の協力も得て、Webクーポンでお客さまの需要喚起を図った」

 ――Web販売の22年度の市場環境をどう見ている。

 「行動制限がなくなり、お客さまの動きも戻りつつある。現時点では遠方に出かけるお客さまよりは1泊圏内などの近場に行くお客さまが多い。ウィズ・コロナという認識が高まり、感染防止策を取りながら旅行に行きたいというお客さまマインドの表れだろう。『Go Toトラベル』や『県民割』など観光マインドを後押しする事業が出てくると、ほぼ19年度並みに戻ってくるのではないか」

 ――前年度まで「Web販売部」が4月1日付の組織改編で、「Web販売事業部」となった。その狙いは。

 「一言で言うと、『OMO(オンライン・マージズ・ウィズ・オフライン)』の推進だ。JTBは、店舗、コールセンター、法人営業、Web販売などさまざまな販売チャネルを持っているが、お客さまと一番多く、初めに接するチャネルがWebだ。19年度数値で店舗来店者数は年間数百万人だが、JTBサイトへのアクセスは約2億のセッションがある。そのWebチャネルが持つお客さまとのつながりを各販売チャネルに波及させていくのが、Web販売事業部が推進すべきポイントだ。Webチャネルと各販売チャネルとの連携のほか、グループ各社との連携も強化し、JTBグループ全体での相乗効果を発揮していきたい」

 「また、地域活性化につなげるため、『着地型商品』への販売貢献も行っていく。現地からの視点で面としてのエリアをどう紹介、プロモーションしていくかが課題だ」

 ――22年度は具体的にどのような取り組みを進める。

 「OMOの推進にあたり、お客さまがJTBHPに訪問したときのデータに基づき、お客さまとの接点をどう拡大していくのか、お客さまが求めている商品は何か、お客さまにとって一番利便性のある販売チャネルは何かという課題を追求する。これをOTAに対抗するための競争戦略として行っていく。また、今までは店舗、コールセンター、法人などで持つそれぞれのデータを他の販売チャネルで活用してこなかったが、今年度から各データの連携を開始している。例えば、Webでお客さまがこういう情報を検索していたというデータを店舗でも見られるようにすることで、スムーズなお客さまの応対ができる形にする。そういった情報データを商品造成部門や各宿泊施設にフィードバックするのも事業部としてのミッションだ」

 「もう一つの自販のWebチャネルとして、国内宿泊予約サイト『るるぶトラベル』を持っている。これはアゴダとの協業により、同社のテクノロジーをベースにUI(ユーザー・インターフェース)やUX(ユーザー・エクスペリエンス)の改善などに努めている。お客さまが商品を検索して予約するまでの画面遷移を最小化し、『お客さまが欲しい商品に簡単に辿り着け、予約ができるサイト』というコンセプトで展開している。まだ課題は多いが、一つずつ改善していきたい」

 「三つ目は、地域の支店、47DMCとの連携を推進している。これまでのWeb販売部は、販売をミッションとしており、各地域と連携した情報発信が十分にできていなかった。今年度から国内宿泊仕入部門と支店とが強く連携し、地域の魅力を発信する、地域の課題解決に貢献する組織に大きく変わっており、その中でWeb販売事業部は商品コンテンツなどの情報を地域の魅力として発信できるプラットフォームの役割を果たしていきたい。新設した『営業推進部』が47DMCの各支店との連携のハブとなる機能を担っている」

 「訪日インバウンドに関しては、アゴダだけでなく、さまざまなグローバルOTAを通じて訪日客への販売拡大を2016年ごろから続けているが、今後、政府が水際対策を緩和すると予測される中で、自販のJAPANiCAN.com含め訪日インバウンドに対応できる準備を整えていく」

 ――旅ホ連との連携施策としては何を行う。

 「OMOを推進する中で、店舗やコールセンター、Webなどの販売チャネルをフル活用し、宿泊増売につなげていきたい。それに向けて店舗・Webでのクーポンの共通化やJTBリモート・コンシェルジュなど販売面でさまざまな取り組みを進めている。一方で、47DMCの支店との連携を通じて、世の中にあまり出ていない地域の魅力などをアピールできる態勢を整えてきている。旅ホ連会員の皆さまには、そういった地域の情報を47DMC支店や仕入部門、われわれWeb販売事業部にぜひご提供いただきたい」

 

JTB執行役員 Web販売事業部長 池口篤志氏

 
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