阪急交通社が2日発表した「登山・ハイキング人気スポットランキング」で、1位は大雪山(黒岳・旭岳)となった。
ようやく夏の暑さも過ぎ去り、秋本番となりました。各地で木々が色づき始め、紅葉の見頃も訪れます。行楽の秋ということで、登山・ハイキングを楽しまれる方も多いでしょう。阪急交通社では、9月~11月の期間に限定した登山・ハイキングの人気スポットについて調査。その結果をランキングにて発表します。
10月頃から全国各地で紅葉シーズンが始まり、阪急交通社ではたくさんのツアーをご用意しています。そんな中、秋の登山・ハイキングのツアーに絞ったランキングを紹介。
過ごしやすい気候の中、紅葉の鑑賞スポットに行くだけでなく、紅葉を見ながらの登山やハイキングも楽しんでみてはいかがでしょうか。
登山・ハイキングのランキング[秋編]はこちら
1位 黒岳(くろだけ)・旭岳(あさひだけ)<北海道>
2位 屋久島(やくしま)<鹿児島県>
3位 大台ヶ原(おおだいがはら)<奈良県、三重県>
4位 八幡平(はちまんたい)・白神山地(しらかみさんち)<青森県、秋田県、岩手県>
5位 富士裾野(ふじすその)<静岡県>
6位 知床(しれとこ)<北海道>
7位 上高地(かみこうち)<長野県>
8位 千畳敷カール(せんじょうじきかーる)<長野県>
9位 利尻島(りしりとう)・礼文島(れぶんとう)<北海道>
10位 熊野古道(くまのこどう)<和歌山県>
対象:2018年9月1日~2018年11月30日に帰着した、登山・ハイキング関連の国内ツアー申込者数
発着地:発着地問わず
夏のランキングと比べると、富士山は開山期間が終了、尾瀬のビジターセンターは10月下旬には閉館になるなどの関係もあり、上位5位のスポットが全て入れ替わりました。
ランクインしたスポットはいずれも、コースによっては初心者も問題なく楽しめます。しかし山は甘く見ず、十分な服装、装備をして臨みましょう。コースごとの特徴を十分に調べて行くのはもちろん、自信がなければ専門ガイドの付いたツアーに参加するのがおすすめです。
それではランクインした各スポットについての概要や魅力をご紹介します。
1位 黒岳(くろだけ)・旭岳(あさひだけ)<北海道>
日本一紅葉が早い場所として知られる大雪山(北海道中央部にある火山群を指す)の、黒岳・旭岳を巡るツアーが人気で1位に。紅葉の見頃は10月上旬頃には終わってしまいます。
標高1,984mの黒岳は、ロープウェイとリフトを使うと7合目まで行けるため、登山初心者や体力に自信のない方にもおすすめです。標高2,291mの旭岳は北海道で一番高い山ですが、こちらも散策路までロープウェイで行くことができます。旭岳の中腹には、噴火口が大きく陥没してできた「姿見の池」があり、周辺では高山植物やエゾリスなどの小動物がみられます。
2位 屋久島(やくしま)<鹿児島県>
島の90%が森林に覆われ、世界自然遺産にも登録されている屋久島。屋久島のシンボルともなっている縄文杉(最大の屋久杉)を目指すトレッキングが人気です。
秋は夏休みが終わって混雑が緩和される傾向にあり、また過ごしやすい気候でもあるため、狙い目のシーズン。常緑の針葉樹が多い屋久島では、紅葉で一面が真っ赤に染まることはありませんが、緑と赤のコントラストが楽しめると人気です。紅葉は例年10月下旬頃から始まります。
3位 大台ヶ原(おおだいがはら)<奈良県、三重県>
国立公園に指定されており、山全体が特別保護地区の大台ヶ原。東西で「東大台」と「西大台」に分けられており、「西大台」は自然保護の観点から立入人数制限が行なわれ、散策には事前申請が必要です。東大台は自由に散策することができ、中でも大蛇グラ(だいじゃぐら)から望む断崖絶壁は一見の価値あり。
日本有数の多雨地帯でもあり、冷温帯性植物などが豊富で、これまでにコケ類を含め190科1310種の生育が記録されています。
4位 八幡平(はちまんたい)・白神山地(しらかみさんち)<青森県、秋田県、岩手県>
八幡平は国立公園に指定されており、標高は1,613mで豊富な高山植物や湿原植物がみられます。山頂までは「八幡平アスピーテライン」を通って自動車で行くことができますので、初心者の方にもおすすめ。
1993年に世界遺産に登録された白神山地は、世界最大級の原生的なブナ林が分布し、日本の原風景をみせてくれます。10月中旬には、ブナやカエデ、ヤマモミジが色づき、紅く染まった散策道は幻想的な雰囲気に。登山コースは所要時間2時間半~8時間程度までと多数あり、初心者から上級者まで楽しむことができます。
5位 富士裾野(ふじすその)<静岡県>
今年の開山期間は9月10日に終了となっていますが、富士山を麓から楽しむのもおすすめです。阪急交通社では昨年、「富士山裾野ウォーク」という、複数回に分けて富士山を周るツアーを開催し、人気を博しました。
富士登山とは違って特別な準備も必要なく、雄大な富士山の姿を見ながら、自然豊かな裾野を歩きます。
6位 知床(しれとこ)<北海道>
知床八景と呼ばれる、知床五湖、知床峠、オシンコシンの滝、カムイワッカ湯の滝、フレペの滝、オロンコ岩、夕陽台、プユニ岬が人気の観光地。
知床の原生林に囲まれた知床五湖には高架木道があり、湖や知床連山の見事な眺めが楽しめます。例年9月下旬頃からカエデ、ナナカマドなどが色づきはじめ、湖面に映る紅葉の美しさは圧巻。知床連山は10月頃から冠雪するため、タイミングが良ければ紅葉とのコントラストを楽しむこともできます。
7位 上高地(かみこうち)<長野県>
日本有数の山岳リゾートである上高地では、10月頃からカエデやシラカバなどが赤く色づき始め、その後カラマツが黄色に。晴れた日には、澄んだ池面に赤や黄色の木々が映り、神秘的な雰囲気を堪能できます。
上高地バスターミナルよりすぐにある河童橋を起点に、大正池を往復するコース、明神池を往復するコース、それらをどちらも堪能するなど、かけられる時間によって選択できます。
8位 千畳敷カール(せんじょうじきかーる)<長野県>
秋の千畳敷カールの魅力は、なんといっても雄大なアルプスの山々をバックに紅葉を楽しめるところ。9月頃から山肌が色づき始め、一面が赤や黄色で埋め尽くされます。
なお、「カール」とは氷河期の氷で削り取られたお椀型の地形のこと。そして畳が千枚くらい敷けそうな場所ということから、千畳敷カールと呼ばれます。標高2,500m以上という高所にあるものの、バスとロープウェイ(高低差日本一という駒ヶ岳ロープウェイ)を使って一気にたどり着けます。
9位 利尻島(りしりとう)・礼文島(れぶんとう)<北海道>
高山植物の咲く季節が過ぎ、夏編のランキングより順位は落とした利尻島、礼文島。利尻島にある利尻山では今年9月20日には初冠雪も確認され、姫沼では紅葉が楽しめるなど、夏とはまた異なる姿を見せてくれます。
冷え込みは厳しくなることもあるので、防寒対策は忘れないように。夜まで滞在するなら、秋以降の澄んだ空気の中、満点の星空がより美しく見ることができるでしょう。
10位 熊野古道(くまのこどう)<和歌山県>
熊野三山(熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社)への参詣道である熊野古道は、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。
熊野古道には複数のコースがあり、人気があるのは発心門王子(ほっしんもんおうじ)から熊野本宮大社に向かう約7kmのコース。下り坂が多いため体力に自信のない方にもおすすめです。
紅葉の見頃は例年11月~12月頃で、なかでも継桜王子付近にある茅葺き屋根の茶屋「とがの木茶屋」は、休憩をしながら紅葉を楽しめると人気のスポットです。