第4回旅館甲子園、グランプリに「玉城屋」 1230施設の頂点


グランプリに輝いた「酒の宿 玉城屋」を表彰

 旅館業の魅力や自館の取り組み、仕事への思いを経営者、従業員がプレゼンテーションする「第4回旅館甲子園」(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部主催)が2月20日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われ、最高賞のグランプリを「酒の宿 玉城屋」(新潟県松之山温泉)が受賞した。

 今まで注目されることが少なかった旅館で働く人にスポットを当てた事業。従業員が自分の目で見た旅館業や自館の魅力、仕事に掛ける思いを、経営者が従業員への感謝の気持ちをさまざまな手法でアピールしてもらい、「学び」「気付き」を業界関係者ら観覧者に感じてもらおうという試み。

 今回は、青年部に所属する経営者の旅館など全国1230施設に出場を募ったところ、各都道府県組合青年部長の推薦を受けた105軒がエントリー。実行委員会による1次審査で10軒が選ばれ、この中から旅館、飲食、大学教授など6人の審査委員による2次審査(書類審査)で、玉城屋のほか、群馬県伊香保温泉「ホテル松本楼」、群馬県四万温泉「柏屋旅館」の3軒がファイナリストとして当日の最終審査に進出した。

 玉城屋は、ミシュランガイド東京二つ星獲得店で修業を積んだ料理長を引き入れるなどソフト面に注力。地の食材にこだわった「旬の新潟食材を楽しむ本格フレンチ」など、食を一新した。

 このほか、SNSを生かして従業員を募集。働きやすい環境作りとして、(1)中抜けシフトの廃止(2)週休2日制の導入(3)年に一度の10連休の実施―に取り組んだ。地域に観光客を呼び込むための仕掛けとして、「松之山版DMO」の一員として酒ツーリズムやツアーガイド養成などの活動も進めている。

 ホテル松本楼は、若い人材の定着に向け、新入社員に先輩社員が1年間付き添い、仕事以外の悩み事まで聞き、安心して働ける職場環境を作る「エルダー制度」や、各種研修制度を導入し、社会人としての基礎作り、従業員が主役となる宿作りを推進している現状を紹介した。

 柏屋旅館は、従業員が好きなことを突き詰めながら仕事にも能力を発揮していることや、従業員同士がサポートしながら仕事に取り組んでいる事例を紹介した。小さな改善行動でお客さまの満足度を向上するとともに、働きやすい環境を従業員が一丸となって作っていることも訴えた。

 審査委員長を務めた全旅連の多田計介会長は「これからの時代を担う青年部と親会が連携し、より良い未来を作っていかなければならない」とあいさつ。全旅連青年部部長で同イベント大会会長の西村総一郎氏は「地域を輝かせるのが旅館。これから何ができるか、部員一人一人が考えてほしい」と述べた。

 優勝した玉城屋の山岸裕一社長は「宿だけでなく、松之山温泉、新潟県全体を盛り上げたいという思いを伝えた。世界中から人が集まる宿にしたい」と喜びを口にした。


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