日本を代表する13ホテルが加盟 プリファード ホテルズ&リゾーツCEO リンジー・ユベロス氏に聞く


プリファード ホテルズ&リゾーツCEO リンジー・ユベロス氏

 世界最大級の独立系ホテルブランド、プリファード ホテルズ&リゾーツ。その親会社であるプリファード トラベル グループを率いるのが、リンジー・ユベロスCEOだ。米ウェイクフォレスト大卒業後、アンダーセン・コンサルティング(現アクセ ンチュア)、世界的 MICE事業企業のアンバサダーズ・インターナショナルなどを経て、2004年にユベロス家のファミリー企業である同社に入社。以来、独立系ホテルの魅力を世界に発信し続け、同社を世界的なホスピタリティブランドへと成長させてきた。3年ぶりに来日したユベロス氏に、日本市場の現状と今後の展望、富裕層から支持されるロイヤリティプログラムの強み、そして日本の魅力などを聞いた。

80カ国625以上のホテルが加盟

 ――プリファード ホテルズ&リゾーツの現在の概要について教えてください。

 

 「プリファード トラベル グループには4つのブランドとプログラムがあります。57年の歴史を持つ『プリファード ホテルズ&リゾーツ』のほか、サステナブルなホテルが加盟する『ビヨンドグリーン』、そして『ヒストリック ホテルズ オブ アメリカ』、『ヒストリック ホテルズ ワールドワイド』です。グループ全体では、85カ国で約1300のホテルが関連しています。中核であるプリファード ホテルズ&リゾーツは、この11年間で大きく成長しました。現在、世界80カ国で625以上のユニークなホテル、リゾート、レジデンスに加盟いただいています」

 

 ――日本の加盟ホテルは現在、何軒ありますか。

 
 
「現在、13のフルブランドホテルに加盟いただいています。具体的には、ザ・キャピトルホテル 東急、ホテルニューオータニ東京 エグゼクティブハウス 禅、ホテルニューオータニ東京 ザ・メイン、ザ・プリンス パークタワー東京、セルリアンタワー東急ホテル、ホテル椿山荘東京、ロイヤルパークホテル、京王プラザホテル、ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留、グランドニッコー東京 台場、ホテルニューグランド、ザ・サウザンド京都、京都東急ホテルの13軒です」

 

質で差別化するロイヤリティプログラム

 ――ロイヤリティプログラム「I Prefer Hotel Rewards(アイ・プリファー・ホテルリワーズ)」について伺います。現在のグローバル会員数はどのくらいでしょうか。

 

 「全世界で約600万人の会員がいます。そして、その数は増え続けています」

 

 ――会員はどの国の方が多いのでしょうか。

 

 「会員が居住登録している国・地域別の内訳では、アメリカが最も多く73%を占めます。次いでヨーロッパが12%、アジア太平洋地域が10%、中東とアフリカが5%となっています」

 

 ――マリオットやヒルトンなど、大手グローバルホテルチェーンも巨大な会員組織を持っています。彼らのロイヤリティプログラムとの違いや差別化のポイントはどこにありますか。

 

 「私たちは、独立系の個性豊かなホテルに特化しているという点が、まず大きな違いです。独立系ホテルが提供するユニークな体験やサービスは、大手チェーンが提供するものとは異なります。会員数だけで見れば彼らの方が大きいですが、私たちの『I Prefer Hotel Rewards』メンバーは非常にエンゲージメントが高いのが特長です。ADR(平均客室単価)が高く、リピート率も非常に高い。また、支出額の大きい富裕層のお客様が多いことも特徴で、私たちは数ではなく、質にこだわった運営方針を取っています」

 

 ――加盟ホテルの中には、独自のロイヤリティプログラムを持っているところも多いかと思います。その場合、ポイントの付与などはどのように整理されているのでしょうか。

 

 「『IPrefer』のポイントを付与するか、ホテル独自のプログラムのポイントを付与するかは、基本的に各ホテルのご判断に委ねられいます。私たちのプログラムは、特に海外を旅されるお客様にとって大きなメリットがあると考えています。グローバルに展開する独立系ホテルのネットワークだからこそ提供できる価値です」

 

サステナビリティを軸とした新たな価値提供

 ――新しいブランド「Beyond Green(ビヨンド・グリーン)」について教えてください。

 

 「サステナブルホテルブランド『Beyond Green(ビヨンド・グリーン)』はコロナ禍に立ち上げた、サステナビリティを核とするラグジュアリーホテルのポートフォリオです。Beyond Greenは3つの大きな柱を基本理念としています。1つ目は、自然を保護し環境に配慮すること。2つ目は、その土地の文化遺産を保護し継承すること。そして3つ目は、地域社会に貢献することです。例えば、地元の産品を使ったり、地域の人々を雇用したりといった取り組みです。現代の旅行者、特にラグジュアリー層のお客様は、サステナビリティへの意識が非常に高まっています。ただ素晴らしい施設に泊まるだけでなく、そのホテルが環境や文化、地域社会に対して良い影響を与えているかということを重視するようになっています。意味のある旅をしたい、と願っているのです」

 

 ――Beyond Greenに加盟するための基準はありますか。

 

「非常に厳格な基準を設けています。加盟を希望するホテルは、サステナビリティの専門家による2〜3日間の現地視察を受ける必要があります。国連が定めた基準などに基づき、環境、文化、社会貢献に関する50以上の重要項目について審査が行われます。これは独自の審査プロセスで、一度認証されても18ヶ月から2年ごとに再審査が行われる仕組みです。私たちは、このBeyond Greenの取り組みを通じて、未来の旅行を守っていきたいと考えています。日本のホテル業界においても、こうしたサステナブルな取り組みは、新たな価値を創出し、世界中の旅行者を惹きつける大きな力になると信じています」

 

日本の旅館が持つ「本物」の魅力

 ――日本の温泉や旅館に行かれたことはありますか。

 

 「数年前のことになりますが、北海道と広島県の宮島で温泉旅館に泊まりました。素晴らしい経験でした。畳の上にお布団を敷いて寝るのが大好きです。旅館での滞在を心から楽しみました」

 

 ――日本の伝統的な旅館は、プリファード ホテルズ&リゾーツの利用客に受け入れられると思われますか。

 

 「もちろんです。私たちは長年、日本の旅館に加盟していただくことに関心を持ってきました。国際的な旅行者は、その土地ならではの”本物”の体験を強く求めています。畳の部屋で眠ることも含めて、日本固有の文化を体験したいと考えている人々は非常に多いのです。旅行者は、ただホテルに泊まりたいわけではありません。その国らしさ、その地域らしさを感じられる体験を求めています。特に私たちのグループに加盟している独立系ホテルは、その地域社会や文化をデザインやサービスに反映していることが特色です。世界中どこでも同じようなホテルの部屋ではなく、『今、自分は日本にいるんだ』と感じられること。それがお客様にとっての価値になります」

 

 ――お好きな和食は何ですか。

 

 「焼き鳥とラーメンが大好きです。私は魚アレルギーがあって、残念ながらお寿司は食べられないのですが、日本にはミシュランの星付きレストランから多様な食文化まであり、そのバラエティの豊かさにはいつも感動しています。食は、海外から多くの旅行者が日本を訪れる大きな目的の一つですね」

プリファード ホテルズ&リゾーツCEO リンジー・ユベロス氏

【kankokeizai.com 編集長 江口英一】

 
 
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