星野リゾート(長野県軽井沢町)の星野佳路代表と北海道内コンビニ最大手のセコマ(札幌市)の丸谷智保会長は12月14日、札幌市内で記者会見し、北海道の観光振興で提携して共同の取り組みを進めることを発表した。
その第1弾として、2月1日から「旅々貯まる北海道旅プロジェクト」を開始する。セコマのカード会員が星野リゾートの道内施設を最大30%引きで利用できるようにするほか、ホテル利用額の2%をセコマの電子マネー「ペコマ」に還元する。
現在、セコマは道内全域でセイコーマート1100店舗を運営しており、カード会員は540万人に上る。一方、星野リゾートは、1月に3ホテルを開業し、道内での宿泊施設は11施設、約2100室体制となる。
地域に密着した多くの登録会員を持つセコマと道内各地で宿泊施設やスキー場などを運営する星野リゾートが連携することで、宿泊施設や店舗のリピーターを増やし、地域に密着したマイクロツーリズムなど道内観光の活性化につなげることを目指す。
星野リゾートでは、記者発表に合わせて同プロジェクトの特設サイトを開設し、宿泊プランの受け付けを始めた。優待サービスを行うのは、札幌、小樽、函館、旭川、釧路など7都市に設置している全宿泊施設で、電子マネーの還元は、宿泊料金のほか館内での飲食代などが対象となる。トマムリゾート(占冠)のスキー場や室内プールの日帰り利用の優待プランも設けられる。
記者会見で星野リゾートの星野代表は「両社のネットワークを活用し、地域に密着したマイクロツーリズムに力を入れ、ウィンウィンの関係をつくっていきたい」と強調。セコマの丸谷会長も「食と観光が回復すれば北海道経済がコロナから抜け出すことができる。提携による取り組みを地域の活性化につなげたい」と話した。
星野リゾートは、都市型ホテルの「OMO5小樽」(92室)を7日、「OMO3札幌すすきの」(226室)を28日に開業し、14日には白老町に温泉旅館「界 ポロト」(42室)を開業する。
記者会見する星野代表(左)とセコマの丸谷会長