日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)の関係者をはじめとする日本の旅行業関係者とマスコミ関係者約350人は3〜6日、中国国家観光局と上海市旅游局、江蘇省旅游局の招きで視察旅行「2010上海万博プレビュー」を行い、万博会場などを視察した。このうち視察団名誉団長の二階俊博・ANTA会長(衆院議員)は3日、上海市内で祝善忠・中国国家観光局副局長、周太●(●の漢字は、丹に彡〔さん〕づくり)・上海市政治協商会議副主席とそれぞれ会談し、万博への日本人100万人の送客について強い決意を示した上で、双方向交流の重要性を強調した。
二階会長は2月、日本で行われた上海万博の「キックオフ式」で、中国側の日本人送客100万人の要請に応じることを明言している。これについて二階会長は「非常に重い約束だ」と述べ、達成に向け旅行業界挙げて取り組むことを改めて示した。
また二階会長は万博期間中に国宝「鑑真和尚坐像」と、「弘法大師坐像」が上海博物館に展示されることに触れ、「両国の人が上海で、1千年以上前に海を渡って日中の懸け橋となった2人を目にできることは、両国交流の1つのエポックとなる」と強調。「観光はのこぎりのようなもの。お互いに行き来するほど関係は深くなり、観光も盛り上がる」とも話し、万博を契機とした相互交流の深化への期待感を示した。
これに対し祝副局長は「日本の100万人送客の約束に心から感謝したい」と述べたほか、上海万博での日本のPRが訪日中国人数拡大につながると指摘し万博のPRなどへの協力を求めた。
同日行われた上海万博に関するセミナーでは、万博の会場や展示内容が説明された。日本側から登壇した視察団団長の柴田耕介・JATA理事長は、チケット販売についての情報不足などの課題を指摘したほか、送客への意欲を語った。
視察団は4日以降、上海万博会場内のプレスセンターの内覧や、中国館、日本館の車窓見学を実施。上海に近い蘇州や揚州も視察し、万博関連ツアーの造成に向けた情報収集を行った。
林幹雄・衆院議員、二階・ANTA会長、祝・中国国家観光局副局長(左から)