アニメ聖地巡礼の旅行需要が急拡大、検索数が前年比195%増——Trip.com Groupが最新トレンド発表


 Trip.com Groupは5月14日、アニメやコミックを軸とした「アニメ巡礼(聖地巡礼)」に関する最新の旅行トレンドを発表した。アジア全域でアニメ・コミック関連の旅行体験検索数が前年比195%増という驚異的な伸びを記録。東京で開催された「AnimeJapan 2026」ではTrip.com経由の海外チケット販売数が前年比697%増となり、アニメ文化が国境を越えた巨大な旅行動機へと進化していることが明らかになった。

アニメ旅の検索数、アジア全域で急増

 Trip.com Groupの最新データによると、アジア全域でアニメ・コミックに関連する旅行体験の検索数が前年比195%増を記録した。2026年のTrip.com検索データを2025年と比較した結果に基づくもので、特に関心が高い主要市場として香港、台湾、インドネシア、フィリピン、韓国が挙げられている。

 かつては一部の愛好家によるニッチな趣味とされていたアニメ文化は、今やZ世代・ミレニアル世代を中心に世界的なカルチャームーブメントへと発展。国境を越えて人々を動かす旅行動機として、その存在感を急速に高めている。

AnimeJapan 2026、海外チケット販売が前年比697%増の過去最高

 直近の象徴的な事例として、東京で開催された世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2026」の数字がある。

 同イベントにおいてTrip.comが海外向け独占チケット販売パートナーを務めた結果、Trip.com経由の海外チケット販売数は前年比697%増となり、過去最高を記録した。来場者は82の国と地域にわたり、その大多数は中国本土、香港、シンガポールのZ世代およびミレニアル世代が占めた。

 チケット購入者の年齢層を見ると、半数以上が25〜34歳。性別では半数以上が男性という結果となった。

Z世代の54%がアニメに好意的——SNSと配信サービスが需要を後押し

 アニメ人気が世界的な広がりを見せる背景には、SNSやオンライン配信サービスの普及がある。

 世界最大級の日本アニメ特化型ストリーミングサービスであるCrunchyrollのレポートによると、Z世代の54%がアニメに好意的な印象を持っているという。特にZ世代を中心に、作品の世界観を実際に体験したいというニーズが高まり、旅行先の選択にも大きな影響を与えている。

 こうしたファンにとって、アニメ文化は「共通のコミュニティに属すること」を意味するものでもある。ファンの約8割がアニメを通じて友情が深まったと感じており、オンラインよりも対面で語り合う機会を求めているという。

アニメコンベンションがホテル需要を喚起——会場3キロ圏内で予約が急増

 こうした交流需要が、リアルなイベント会場周辺の宿泊需要を大きく押し上げている。

 Trip.comの最新データによると、世界各地のフェスティバル会場から3キロ圏内にあるホテルの予約数は、イベント期間中に顕著に増加している。同社が各イベント開催期間中にイベント会場から3km圏内で行われたホテル予約データを集計したもので、アニメイベントと宿泊需要の相関が数字にも表れた形だ。

 特に中国本土や東南アジアから注目を集める「Hong Kong Comic Con 2026」では、チケット購入者の8割以上をZ世代およびミレニアル世代が占めた。さらに興味深い点として、チケット購入者の80%以上を女性が占めており、このジャンルが女性層にも広く支持されていることが示された。

 日本国内でも大規模イベントに伴う経済効果は大きい。年2回開催される「コミックマーケット(Comiket)」は非常に熱心なファン層を集めることで知られる。今年8月に「Summer Comiket 2026」の開催地となるお台場では、イベント期間中のホテル予約数が前年比78%増加した。

聖地巡礼が旅先選びを変える——秋葉原・池袋・鎌倉でも予約増

 アニメ文化の影響は、イベント参加にとどまらず、旅行先の選択そのものにも変革をもたらしている。

 アジアの旅行者の70%が「視聴したコンテンツ」をきっかけに旅先に興味を持ったと回答。観光庁の調査でも、映画やアニメゆかりの地を訪れる訪日外国人の割合は2019年の4.6%から2023年には7.5%へと着実に増加している。

 こうした傾向を裏付けるように、人気バスケットボール漫画『SLAM DUNK』の聖地として有名な鎌倉高校前駅近くの踏切や、オタク文化の聖地として知られる秋葉原と池袋では、Trip.comにおけるホテル予約数が前年平均比10%増加している。特に関心を牽引しているのは、韓国、タイ、シンガポール、そして香港・台湾地域の旅行者だ。

没入型体験へのニーズ高まる——グランピングからUSJのコラボアトラクションまで

 現在ファンが求めているのは、より深い「没入感」の体験だ。

 Trip.comでは「SLAM DUNK」の聖地を巡る日帰りツアーなど、人気アニメの舞台を体験できる多彩な旅行プランを展開している。日本の自然型リトリート施設「THE FARM」では、人気作「葬送のフリーレン」の世界観を再現したテーマ型グランピングルームが登場。作中のシーンを体験できるフォトスポットが人気を博している。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは「名探偵コナン」などの大ヒット作とコラボしたアトラクションを提供。エンターテインメントは今や、個人のアイデンティティや旅行動機を形成する重要な要素となり、国境を越えたグローバルコミュニティを育むインフラへと進化を遂げているとTrip.com Groupは説明する。

 
 
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