年末年始、JR・航空苦戦、高速道・バスは好調


 航空会社や鉄道など交通機関の年末年始(12月25日から1月5日まで)の利用実績がまとまった。航空は低価格需要を取り込んだ航空会社では搭乗客数を伸ばしたものの、一部の路線で大雪や強風のため欠航が発生したことや、日並びの悪さなどが影響して全体的に利用者数が減少。陸上交通は、例年好調のJR各社が景気低迷や悪天候による運転見合わせなどで前年割れした。年明けに休日特別割引が実施された高速道路、低価格が支持されている高速バスは前年実績を超えた。

●航空
 航空各社の利用実績をみると、JALグループの国内線総旅客数は前年比7%減の132万7578人。各方面とも前年を割ったなか、中国、四国方面が同2.7%減、関西方面が同3.0%減で下げ幅が少なかった。

 全日本空輸(ANA)は、総旅客数が5.4%減の134万5349人。方面別でもプラスとなった方面はなかった。国際線はセールス活動が奏功し、「定期便就航以来、初めて利用率が80%を超えて好調」(同社)だった。

 JALグループとANAの国内線の利用ピークは、下り便が12月30日、上り便が1月3、4の両日となった。

 スカイマークは総搭乗者数が7.2%増の11万7951人。新規就航路線への認知度が高まったことや、割引運賃の設定により家族層や価格を重視する利用者の需要を取り込んだこと、悪天候の影響を受けず欠航便が少なかったことなどが増加につながった。

 北海道国際航空(エア・ドゥ)は総旅客数が1.9%減の5万8160人。スカイネットアジア航空は利用者数が5.0%減の3万8795人。スターフライヤーは総旅客数が7.5%増の3万6757人となった。

●JR
 JR各社の新幹線の利用状況をみると、東日本が同7%減(人数非公開)、東海が同5%減の342万8千人、JR西日本が同6%減の166万人、九州が1.4%減の107万3千人。

 在来線の特急、急行は北海道が同10.0%減の417万人、東日本が同8%減、東海は同11%減の21万3千人、四国の瀬戸大橋線は同11%減の289万人、西日本は同9%減の98万人、九州は主要3線間区間で同7.4%減の597万6千人。

●高速道路
 ETC搭載車を対象とした利用料金の休日特別割引が行われた高速道路。このうちNEXCO3社(東日本、中日本、西日本)と本州四国連絡高速道路(本四高速)の、昨年12月26日〜今年1月5日の主要区間の1日平均交通量は、前年同期比1.06倍の3万8800台だった。前年よりも交通量が10%以上増えた区間が一部あったものの、ほぼ横ばいだった区間が目立った。

 渋滞回数は大きく増加。10キロメートル以上の渋滞は同30.0%増の195回、30キロメートル以上の渋滞は同63.6%増の18回に増えた。年明け1〜5日を休日特別割引の適用日としたことや日並びの関係から、ほとんどの区間でUターンの車が集中した2、3日に最大交通量を記録。渋滞の多くも1〜3日に集中した。

●高速バス
 楽天トラベルの年末年始(昨年12月28日〜今年1月3日)の高速バス予約の送客実績は、前年同期比31.2%増(人数非公表)だった。

 方面別では首都圏〜秋田県(秋田、大館、能代など)が同204.1%増、首都圏〜四国(徳島、高松、松山、高知など)が同119.5%増、京阪神〜鹿児島県(鹿児島、南九州など)が同131.7%増と大きく伸ばした。「地方路線の中でも長距離路線が好調だった」と同社。首都圏〜京阪神(同21.7%増)、首都圏〜名古屋(同30.0%増)も2ケタ増となった。全体的な好調の要因として同社は、高速バスが安価な交通手段として人気を集めていることや快適性が高い3列シートが認知されてきたことを挙げる。

 
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