嵐渓荘(新潟県・越後長野温泉)はこのほど、既存客室4室をワーケーション対応客室3室へ、既存宴会場をコワーケーションルーム(会議室兼食事処)へとそれぞれ改修した。ビジネス利用機能を向上させて「仕事創りの宿」を展開し、新規顧客の獲得、収益の付加を目指す。
同館は、三条市内に1軒しかない温泉旅館としての立地特性を生かして、ワーケーション事業を取り入れ、ビジネス向け商品を再構築している。事業再構築補助金を活用した今回の工事を経て、既存客室と既存宴会場をビジネス利用向けのものへと改修。仕事創りの宿を旗印に、地元の企業や観光事業者等と連携する温泉旅館の新たな活用方法を提案する。
客室改修では、外部の自然を取り込む現状を生かしたリノベーションにより「みず木」「花筏」「木蓮」の3室を新装。ワークデスクやテラスを設え、同館にこれまでなかったベッドルームを整備するなど、機能性と快適性を両立させた客室へと仕上げた。みず木は20畳でテラス定員が2~5人、花筏と木蓮は各12.5畳でテラス定員が2、3人。客室の壁面には燕三条を代表する「玉川堂」(鎚起(ついき)銅器)や「マルナオ」(木工用品)のオリジナルレリーフを施し、同エリアの「モノ作りの街」としての伝統を感じられる空間づくりにも注力した。
36畳の和室宴会場はワークルーム兼食事処へと改修。可動式パーテーションで4区画に分割可能とすることで、個室食事処として中庭の景色を眺めながらプライベートな空間で食事を堪能できる空間としての利用や、仕事や談話ができるワークルームとしての活用も可能な場とした。
館内の改修に合わせ、中庭も整備。水のせせらぎと四季の草花、鳥のさえずりを楽しめる空間を創出し、顧客が集えるテラスも整備した。
総合企画はリョケン。
ワークルーム兼食事処
新客室「みず木」