地域伝統芸能活用センター(中村徹会長)は2日、今年度の「高円宮殿下記念地域伝統芸能賞」を高千穂町観光協会(宮崎県)に贈ることを決めた。表彰式は9月24〜25日、青森県で開催の地域伝統芸能全国フェスティバルで行う。
賞は地域伝統芸能の保存や継承、活用に抜きんでた功績が認められるとする団体や個人を表彰する制度。行政や研究者、マスコミなどで構成する12人の選考委員会で決定した。
高千穂町観光協会は、観光神楽を通じた夜神楽の保存継承で大きな功績があったとして受賞が決まった。アクセスが困難で、一般の観光客がなかなか見られない神事の夜神楽を観光神楽として昭和47年から公開し、39年間年中無休で実施。年間5万人を超す観光客を迎えている。高千穂町や宮崎県の観光振興に大きく貢献したほか、夜神楽の保存継承に対する地元の認識を高め、後継者不足の解消にも尽力した。
このほか地域伝統芸能の活用で観光や商工業の振興に貢献した個人と団体に贈る「地域伝統芸能大賞」で北上鬼剣舞連合会(岩手県)、八代妙見祭保存振興会(熊本県)、上三原田歌舞伎舞台操作伝承委員会(群馬県)、五所川原立佞武多(たちねぷた)運営委員会(青森県)が受賞。
地域伝統芸能の技の継承で地道な努力を重ねている有望新人に贈る「地域伝統芸能奨励賞」で鶴田流薩摩琵琶奏者の熊田かほりさん(宮城県)が受賞した。
「高円宮殿下記念地域伝統芸能賞」に決まった高千穂町の観光神楽