京都丹後鉄道、23年ぶりに新型車両「KTR300形」導入


 京都丹後鉄道は、23年ぶりに新型車両「KTR300形」を導入した。

 京都丹後鉄道(以下、丹鉄)を運行するWILLER TRAINS株式会社(代表取締役:寒竹聖一、以下ウィラートレインズ)は、1996年に『KTR8000形』を導入して以来23年ぶりに、長年親しまれてきた『MF100形/MF200形』の後継車両となる新型車両『KTR300形』を導入し、5月18日(土)より運行開始しました。

 今回導入された新型車両は「丹後の自然と歴史と伝説」をコンセプトとしており、ボディカラーには歴史と伝説の華やかさを表現した鳶赤色を採用し、海のさざ波をイメージした太さの異なる三本の金帯を配しています。車両正面は、大江山の赤鬼・青鬼伝説をイメージした引き締まった顔つきのデザインとなっています。車内は、既存の普通車両の座席数が27席に対し41席と増え、ロングシートと転換シートの2種類を配置しています。転換シートの各席にはUSBポートを配置しスマートフォン端末等の充電が可能となるほか、多機能トイレを設置することでベビーカーや車いすの方も楽にご利用いただけます。さらに、耐雪ブレーキを搭載し、雪の多い沿線でもより安全に運行するなど安全装備も充実しています。当車両は『MF100形』及び『MF200形』の後継車両として入れ替わり、2022年までに同系車両4台を順次導入する予定です。

今回の新型車両導入に先駆け5月8日(水)に宮津駅にて試乗会を、運行開始日の5月18日(土)に福知山駅にて出発式を執り行い、両日合わせて約100名の関係者にご参加いただきました。

【5月8日(水)開催:試乗会】
運行開始に先駆け、関係者の皆様に感謝の意を表するため、宮津駅にて試乗会を実施しました。当日は宮津駅~天橋立駅間を臨時列車として3便運行し、地元の幼稚園児や車両導入をご支援いただいた皆様方に、新型車両に試乗いただきました。試乗中の列車内では担当者が車両の説明を行い、園児たちは初めて見る車両に興味津々の様子で、短い時間ではありましたが終始お楽しみいただきました。

また、宮津駅内多目的ホールにて記念式典を執り行い、ご祝辞を頂戴しました。
式典の中で、西脇隆俊京都府知事は、「新型車両の完成おめでとうございます。京都丹後鉄道においては、日頃から鉄道の安全運行と生活交通の確保に御尽力いただいており、関係の皆様に深く感謝申し上げます。京都府といたしましても、京都丹後鉄道の安全確保はもちろんのこと、さらなる魅力向上に向け、関係の皆様と力を合わせてまいります。この新型車両の導入により、地域の住民の皆さんに親しまれ、愛され、なおかつ利用が促進されることで、交流人口の拡大と地域の活性化に大きく貢献することを期待しております。」と述べられました。

京都丹後鉄道利用促進協議会会長の城﨑雅文宮津市長は、「新型車両導入を期に、通勤、通学のほかに、買い物や、ちょっとしたおでかけなど、普段使いで京都丹後鉄道を利用されていらっしゃらない方でも、京都丹後鉄道に乗車していただき、鉄道利用の良さを知っていただく絶好の機会であると考えます。沿線の利用促進のためのPRや、より沿線のニーズにあった運行など、沿線住民の鉄道利用への転換に繋がる取り組みについて期待をしており、当協議会としましても、是非協力させていただきたいと考えております。」と述べられました。

線路や車両の保有管理を行う北近畿タンゴ鉄道会社池田静雄代表取締役社長は、「日頃からの施設の維持修繕や、今後計画している同形の4両の車両新造についても、運行会社であるウィラートレインズと十分に連携し、安心安全で快適な鉄道として多くの皆様に愛されるよう努めてまいります」と述べられました。

運行会社であるウィラートレインズ代表取締役寒竹聖一は、「運行の上下分離を行い5年目となる節目に、新型車両を迎えられたのはうれしい反面、身の引き締まる思いです。これもサポート頂いた沿線自治体並びに住民の皆様おかげだと思っており、設備がしっかり整った車両のソフトウェアとヒューマンの部分を120%発揮することが、ウィラートレインズの使命であり、上下分離のシナジー効果を発揮できるのではないかと考えている。」と意気込みを語りました。その後、新型車両をバックに参列者の皆様で記念写真撮影を行い、試乗会は大盛況でした。

【5月18日(土)開催:出発式】
11時13分の初便運行開始に合わせ、福知山駅にて出発式を実施しました。
地元、大江高校ブラスバンド部の皆様の演奏と、多くの方の温かい拍手に迎えられながら、新型車両KTR300形が福知山駅ホームに入線し、出発式が開始しました。当日は新旧の車両がホーム左右に並び皆様の歓喜に包まれました。出発を記念し、国土交通省近畿運輸局鉄道部長井野則明様、京都府副知事舟本浩様、京都丹後鉄道利用促進協議会会長の宮津市長城﨑雅文様、福知山市長大橋一夫様、ウィラートレインズ代表取締役寒竹聖一の5名が車両の前でテープカット行いました。さらに、大江高校ブラスバンド部の尾上暖佳さんより、初便乗務を行う森本淳也運転士へ激励のコメントとともに花束が贈呈頂きました。最後に、石岶駅長による「出発進行!」合図の後、大江高校ブラスバンド部のファンファーレの演奏とともに新型車両が出発し、参列者とホームにお越しいただいた皆様と共に新型車両KTR300形に手を振り見送り、無事出発式は終了しました。

初便の車両にご乗車いただいた、与謝野町在住の37歳の男性からは、「地元の伝説になぞらえて、車両外装をデザインしてくれる、そんな地域密着で地元を知り尽くした鉄道として、これからも地元に寄り添う列車運行を続けてほしいと思います。」と新型車両に対する期待を寄せていただきました。

■新型車両概要

旅客定員数|座席:41人 立積:64人 合計:105人
最大寸法|
最大長:18,500mm
車体長:18,000mm 最大幅:3160.4mm
車輛重量|33.6t(空車時)
運賃表示器|液晶式 2台
座席|転換クロスシート ロングシート
トイレ|車いす対応多機能トイレ
ドア|半自動ドア
証明|LED(車内・行先表示機・ヘッドライト)
設備|USBポート あり

■WILLER TRAINS株式会社 会社概要
【所在地】京都府宮津市字鶴賀2065-4
【代表者】代表取締役 寒竹聖一
【設立】2014年7月
【事業内容】第二種鉄道事業

 
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