ロイヤルパークホテル、無料スマホ「ハンディ」を全客室に導入


右から笹井、勝瀬、長谷川の各氏(記者会見で)

 ロイヤルパークホテル(東京都中央区)は1日、世界17カ国、600以上のホテルで採用されているスマートフォン端末「handy(ハンディ)」を全客室の419室に7月1日から導入すると発表した。ハンディの導入は同ホテルが国内初となる。

 ハンディは、ホテル客室に備え付けの宿泊客用無料貸し出しスマートフォン。宿泊客は、ハンディを使い、国内通話、国際通話を無料・無制限で利用できる。インターネット回線にも無料・無制限で接続。ハンディを客室外に持ち出し、ホテル近隣の散策にグーグルマップを使用したり、ホテルのコンシェルジュとワンタッチで連絡をとったりすることもできる。

 同ホテルの笹井高志常務取締役総支配人は、ハンディ導入の狙いについて「欧米からのゲストが半数を占める当ホテルに、インターナショナルホテルチェーンで多数採用されているハンディのサービスを提供することで、特に情報感度の高いビジネスパーソンのニーズを満たすことができるようになる。導入しない理由はなかった」と語った。

 ハンディジャパンの勝瀬博則社長は、「ハンディは2012年9月に香港で誕生し、現在は世界600ホテルの11万室に導入されている。多言語対応のため、災害時には安否確認や災害情報提供にも使える」と述べ、実績と利点を強調した。4G回線を使うため、携帯電話のつながる場所ならどこでも使用できるという。

 日本でハンディ端末の供給を請け負うシャープの長谷川祥典取締役兼専務執行役員IoT通信事業本部長は、「シャープはハンディジャパンに出資した。このアンドロイド端末は台湾の鴻海精密工業で生産し、日本国内に独占的に供給する」と語り、生産体制への自信をのぞかせた。

 ハンディの導入にあたって、宿泊施設が負担するコストは端末1台あたり月々980円のみ。通信料もこの中に含まれる。事業開始プロモーションとして、9月30日までに申し込んだ場合は、1年間完全無料で提供するという。ブッキング・ドットコム元日本代表の勝瀬社長は記者会見で、観光経済新聞の質問に答える形で「全国の旅館からの申し込みももちろん歓迎する」と述べた。

 
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