ウフルとABAL、和歌山県の特産品事業者17社、JTBは2月23、24の両日、マレーシアでVR観光物産展を開いた。仮想現実(VR)の仕組みを使って、和歌山の観光地の疑似体験と、日本にいる事業者と特産品についてやり取りしながら購入できる場を提供。現地の人に日本や和歌山、特産品の魅力を伝えるとともに、現地ニーズの把握を図った。
VR観光物産展「おいしい JAPAN feel Wakayama」は、昨年9月に東京・銀座と和歌山で行ったVR観光物産展に続く取り組みで、海外では初めての開催。マレーシア・クアラルンプールのショッピングモール「Lot 10」で開いた。現地での物販と併せて、3メートル四方の空間に、ABALのリアルメタバースソリューション「Scape」を使って、バーチャル空間にドームサーズのバーチャル和歌山を用意した。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すると、和歌山県内の地域ごとに分かれた部屋を空間上で選択でき、南部の海や高野山、シラス干しの作業風景といった和歌山の自然や文化、産業を歩き回って疑似体験できる。さらに空間上に和歌山各地の物産を表示して、和歌山・白浜にいる特産品事業者と、通訳を介して会話しながら購入ができるようにした。
また、最大3人まで同一空間を一緒に体験できることから、子供をきっかけに家族連れなどが多数参加し、VRで和歌山の風景を楽しんだほか、和歌山にいる事業者らと、和歌山の特長や和歌山特産の梅干しなどについてやり取りした。
白浜で事業者らと物産展に対応した、ウフルの廣羽裕紀氏は「マレーシアに行かずに、現地の人とコミュニケーションが楽しめたことはもちろん、会話からオーガニックなどに関心があることなども分かり、特産品のマレーシア展開に向けた需要の在り方を探れたと参加した事業者からも好感触だった」と振り返る。
同社らは今後、次回実施などに向けた効果検証などを進める考えだ。
和歌山をバーチャル体験するマレーシア人