リクルートのじゃらんリサーチセンター(JRC、沢登次彦センター長)は2日、「観光振興セミナー2024 関東・甲信越Meeting」を東京都丸の内の同社本社で開いた。7月26日から全国8会場で9回開催したセミナーの最終回。自治体関係者らが出席した。
「コロナ禍を乗り越えた地域の未来を拓く『観光戦略』について」「日本人の旅行実態を徹底解説!『じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024』」「地域ごとの主要周遊ルートを解説!『インバウンドの都道府県ポジショニング研究2024』」などを発表、解説した。
第2部「地域戦略推進のためのQ&Aセッション」では、「国内観光旅行」「高付加価値化」「二次交通」「DMOの財源確保」「観光人材」の五つのキーワードについて、自治体関係者からの質問に対してJRC研究員らが回答した。
沢登氏は講演の中で、地方の差別化ポイントは「地域固有の『文化』」「地域の独創性」と指摘。地域一体となった持続可能な地域づくりについて「住民が愛着と誇りを持つ資源を『コアバリュー(地域の観光価値)』とし、それを磨き、PRし、来訪を促進するべき。そうすると住民は、訪れる旅行者に感謝する気持ちを持つようになる。住民の当事者意識が高まり、自身がコアバリューの資源を守り、育てる意識が芽生える。それは、持続性の担保とオーバーツーリズムの解決策になる」と指南した。
DMOの財源確保については、「DMOが中長期の安定財源を確保するためには、自治体単位の宿泊税が適していると思う。見込める安定財源があれば、計画も立てやすい。何にどう使ったかという使途をきちんと開示すれば、支払った旅行客、迎え入れている地域の方々の納得、理解も得られるのではないか。地域一体となって本気で観光振興に取り組むのであれば、宿泊税は有益だと思う」と述べた。
地域選戦略推進のためのQ&Aセッション