これから夏休みまでは、閑散期対策が悩みの種となっている施設も多いことであろう。これまでも幾度となく触れてきたが、再度、閑散期対策について考えてみたい。
今回の切り口は「アクセス数の増加」である。閑散期というと、どうしても割引をして集客を図るという傾向になりがちである。それ自体、否定すべきことではないが、今回はアクセス数という別の視点で考えてみたい。
そもそも、原理原則として「ウェブ売り上げ=(1)アクセス数×(2)転換率(どれだけ予約したか)×(3)単価」という方程式があり、(1)(2)(3)のいずれかを向上させれば売り上げが向上するわけである。割引施策は(3)単価を下げるものの、お得感を感じたり、予算感に適合したりして、予約を促進するという(2)転換率の上昇に寄与するものである。しかし、これには限度があるので、ここでは視点を変えて(1)アクセス数の増加に着眼してみたい。
アクセス数の増加については、さまざまな手法がある。「PPC広告」「PPC×LP(ランディングページ)作成」「SEO対策」「OTA広告(有料or無料)」「OTA特集(有料or無料)」などが代表的である。
大きく分けると、有料か無料かという点で分けられるが、有料のものについては以前もPPC広告などで解説したので、今回は無料のアクセス数増加対策について考えてみたい。
絶対的なアクセス数を増やしたいのであれば、やはりOTAの無料特集は有効である。例えば、冒頭の割引をした商品を作成したのであれば、それをOTAの特集に掲載すべきである。そうすれば、通常に販売するよりは、お客さまの目に触れる回数が増え、アクセス数が増えるはずなので、結果として購入数も上がっていくはずである。また、ホームページへのアクセスを増やす無料施策としては、ニッチキーワードの競争環境が少ない中で、表示順位を上げて、アクセス数の増加を図るというのも一つの手段である。例えば「○○温泉 ひとり旅」などで、自施設のひとり旅のコンテンツを表示させるなどの施策である。
ウェブの良い点はアクセス数もデータで確認できることである。実施したアクセス数増加施策について効果検証をしながら、より効果のある方法を見つけていってほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)